GRAILのトップキャップボルトの穴を潰してしまったため、新しいボルトに交換します。ホームセンターや自転車屋さんで手に入らない特殊なネジをどのように入手したのかをまとめています。
こういった小物パーツの交換の情報はなかなかネット上には出回っていないので、この記事の内容の他に調達の方法を知っていらっしゃる方がいればご教授いただきたいです。
- はじめに
- GRAILのトップキャップボルトのネジ穴が潰れてしまった!
- 潰れた六角ボルトを抜く
- 新しいトップキャップボルトを探すも見つからず
- 解決: モノタロウでボルト発見!
- 一般人でもモノタロウを「個人事業者」として利用できる
- モノタロウからボルトが届いた!
- モノタロウのボルトとGRAILの純正ボルトを比較 〜微妙な違い〜
- おわりに
はじめに
皆さまおはようございます。
新年度の忙しさに引き摺られてブログの更新頻度も落ちていきそうな毎日ですが、これからも気を引き締めて投稿していきます。
今回はGRAILのヘッドのトップキャップのボルト交換についてのお話です。
GRAILのトップキャップボルトのネジ穴が潰れてしまった!
皆さまは、ロードバイクのネジを紛失してしまったり、またはネジを壊してしまった経験はありませんか?
ロードバイクのネジは特別製なものも多く、大抵は自転車屋さんに行かないと売っていない、あるいはそもそもネジの販売を行なっていないメーカーすらあります。
どうしてもネジのスペアが欲しいのに手に入らない、それってかなり不便ですよね?
今回、私はトップキャップボルトのネジを壊してしまい、正直かなり焦りました。
トップキャップボルトとは、ヘッドの調整で重要なボルトである!
トップキャップボルトとは、こちらの六角ボルトのことをさします。
名前の通り、トップキャップを抑えているボルトです。
このボルトはヘッドの調整において
・プレッシャーアンカーを引き上げる
という役割を持っています。
この写真でネジが刺さっている部分がプレッシャーアンカーです。
プレッシャーアンカーとは、簡単に言ってしまえばフォークを上に引き上げてくれるパーツです。プレッシャーアンカーを引き上げることでフォークも同時に上がっていきます。
ハンドルがガタガタするなど、いわゆるヘッドのガタつきが起こるのはこのプレッシャアンカーを正常に引き上げられていないためです。
ちなみに:プレッシャーアンカーとスターファングルナット
余談ですが、プレッシャーアンカーというのはフォークのコラムがカーボン製のときに使われるパーツの名称であり、アルミコラムの場合はスターファングルナットという別のパーツに代わります。
なぜアルミとカーボンで別のパーツが使われているのかというと、
アルミやクロモリのような金属系の自転車は丈夫なので、金属製のスターファングルナットでガツガツとフォークを引き上げることができますが、カーボンはコラムに優しいプレッシャーアンカーでなくてはひび割れの可能性があるためです。
(余談ここまで)
ボルト穴が潰れた原因は、工具にあり
さて、この大事な大事なトップキャップボルトですが、なんとレンチを差し込む六角穴が潰れてしまいました。
六角だった名残は消え、ただの円になってしまっています。
ネジ穴が潰れたことを「ネジがナメた」や「ネジ穴がバカになった」と表現することもありますね。
今回ボルトの穴が「ナメて」しまった原因はこちらです。
普段常用していたこちらの携帯六角レンチ(アーレンキー)でボルトを締めていたところ、突然アーレンキーが「ズルッ!」と回転し、ネジ穴が削れてしまいました。
アーレンキーを使い続けてレンチの先端が削れてくると、レンチがボルトの穴にぴったりハマらずに微妙な隙間が生まれてしまうことがあります。
この隙間ができている状態でトルクをかけることで、今回のようなバカネジを産んでしまうことになります。 工具が大事ということに初めて気づきました。
潰れた六角ボルトを抜く
幸い、今回は潰れが軽度であったため精度の高い新品のアーレンキーを使うことでボルトを抜くことができました。
慌ててホームセンターに走り、少し高級な六角レンチセットを購入してきました。
いつも使っていた赤い携帯工具はやはり安物だけあって、元々の精度もそこそこ悪かったようです。
逆に今回購入したのは精度がしっかりしているレンチということで、すでに潰れてしまったネジ頭でもぎりぎりトルクをかけて緩めることができました。
外れました。「あーよかった」とひとまず安心です。
新しいトップキャップボルトを探すも見つからず
いくら新しいレンチで回せたとはいえ、すでに頭が潰れてしまったボルトはもう使わない方がよいです。間違いなくこれから悪化していくからです。
さて、ここで問題発生です。
GRAILのトップキャップボルトの形状が特殊すぎる
ため、自転車屋さん・パーツの通販サイト・ホームセンターのネジ売り場を巡っても代替品が見つかりません。
こちらが普通のロードバイクのトップキャップボルトの形状です。
ステンキャップボルトと呼ばれる、四角い頭のボルトです。
写真のものはイメージで、実際は M6 (太さ 6mm) で、x30 (長さ 30mm) が大体のトップキャップボルトの規格です。
しかしGRAILのボルトは全く異なっています。
ステンキャップと比較してみると一目瞭然です。
頭の形状はいわゆる「皿ネジ」と呼ばれるタイプで、台形のようになっています。
しかも太さ 4 mm、長さ 50 mmという特殊っぷりです。
皿ネジ型のトップキャップボルト自体はたまにあります。ですが、ここまで長さのあるボルトは見たことがありません。
自転車屋さんに置いてあるトップキャップボルトは基本的にステンキャップだけなので、この皿ネジのボルトが売っていそうなところといえばホームセンターです。
しかし、大型のホームセンターのネジコーナーにかろうじて皿ネジタイプの六角ボルトは売っていたものの、さすがにこの太さ・長さのものは見つかりませんでした。
トップキャップのネジ受けはやはり皿形をしているため、皿ネジでないと固定することができません。
解決: モノタロウでボルト発見!
実店舗がダメならネット通販を探してみよう!と考えて行き着いたのが、CMでもご存知モノタロウです。
<リンク>
www.monotaro.com (外部リンク)
モノタロウは工業・医療・農業など、幅広い技術職の方々に工業用間接資材を提供しているオンラインショップ最大手です。
工具ならなんでも揃っていると評判の、いわば「ものづくりのAmazon」と呼んでも差し支えない販売会社です。
モノタロウは本来事業者向けの通信販売なので、基本的に専門外の一般人には利用できません。
しかし、一般人でも購入できるように個人消費者向けの販売サイト IHC MonotaRO という通販サイトも展開されています。
<リンク>
(外部リンク)
なんとかモノタロウのサイトで「M4 x50mm , 六角穴付皿ボルト」を発見できたため、IHC MonotaROのほうで購入することにいたしました。
問題点: 一般人では買えない商品もある!?
しかしここでさらなる問題が発生します。
モノタロウで売っていたボルトが IHC MonotaRO では売っていない
ということが発覚いたしました。
M4 x40mmの長さまでのラインナップは存在するのですが、肝心の50mmはどこを探してもありませんでした。
事業者向けのモノタロウと個人消費者向けのIHC MonotaRO ではユーザーの需要が異なっているためかラインナップに微妙な違いがあるようです。
一般人でもモノタロウを「個人事業者」として利用できる
さて困りました。私のような一般人ではニッチなボルトは購入することができないのでしょうか?
いえ、しっかり購入することができます!ここには裏技があるのです。
モノタロウのユーザー登録をする際には、「法人名」を記入しなくてはなりません。つまりなんらかの事業を行なっていなければならないわけです。
しかし、ここでは「法人のお客様」の他に「個人事業者のお客様」を選択することもできます。
「個人事業者」とはつまり自営業のことで、株式会社などの法人を設立していない個人経営の人を指します。
そしてこの話の肝なのが、この「個人事業者」を選択すると法人情報を記入しなくてもユーザー登録を完了することができるという点にあります。
つまり、専門外の一般人でも「自営業です」と言い張れば事業者向けのモノタロウを使用可能ということです。
この利用法が現在問題なく使えているので、モノタロウのオフィシャル的にもOKなのでしょう。しかし、こうなってくると品揃えの少ないIHCの方の存在理由がいまいちわからなくなってきます。
一応個人的考察を述べると、IHCは個人でも利用しやすい「バラ売り」をメインに商品陳列をしており、「大量販売」のモノタロウと差別化を図っているのではないかと思っています。
モノタロウからボルトが届いた!
という経緯を経て、我が家にモノタロウからボルトが届きました。
注文から6日後でした。Amazon並みの早さとまではいきませんが通販としてはそこそこ早いので嬉しいです。
領収書が同封されていました。
ボルト代金+消費税が647円で、送料が500円プラスでかかりました。
初回はご登録感謝500円クーポンというものがもらえたため、送料と打ち消しあって最終的な支払総額は647円でした。クレジットでの支払いです。
こちらが今回注文した 「M4 x50 mm, 六角穴付皿ボルト 15本入り」です。本当は1本単位で売って欲しかったのですが、売っていたのがこの15本セットしかなかったためこのように大量に購入しています。
モノタロウのボルトとGRAILの純正ボルトを比較 〜微妙な違い〜
上がモノタロウのボルト、下がGRAILの純正ボルトです。
長さは50mm で一緒ですが、お互いに結構異なる点が多いです。
まず、上の写真を見てわかるようにGRAILの純正ボルトは半ネジ(ネジ切りが半分まで)となっています。
対するモノタロウのボルトは全面にネジが切ってありますが、この違いは性能に対して問題がないので大丈夫だと思います。
次に、皿キャップの円周が異なります。
左がGRAIL、右がモノタロウです。 GRAIL純正のボルトの方が円周が大きいです。
さらに、ボルトの六角穴の太さも違いました。
GRAIL(下側)の方の六角レンチは3 mmで、モノタロウ(上側)のレンチは2.5 mmと、六角穴の太さがそもそも違うのには驚きでした。
購入したボルトが自転車に適合するかチェックする
さて、モノタロウのボルトをGRAILにインストールしてみます。
果たしてトップキャップを固定することはできるのでしょうか?緊張します。
新しいレンチで締めていきます。ネジ穴がまたしても潰れないようにゆっくりとトルクをかけます。
しっかりと閉めることができました。トルクのかけすぎはほどほどに。
皿の直径が小さいのでトップキャップの皿受け側に少しスカスカ感はありますが、隙間ができているという訳ではなさそうです。
とりあえずボルト交換は成功ではないでしょうか。
皆さんも、自転車のネジ等の紛失にお困りでしたら事業者向けモノタロウをご利用してみてはいかがでしょうか?
おわりに
という訳で今回はGRAILのトップキャップボルトを交換いたしました。
モノタロウを初めて利用した感想としては、「これからも普通に使っていこう」と思える好感触でした。モノタロウは他にもたくさんの種類のネジをラインナップしていますし、それ以外にも工具や衣服、自転車用品など様々な商品を扱っています。
わざわざホームセンターに足を運ぶ必要がないし、商品同士の比較もパソコン上で簡単に行うことができるので、個人的にはホームセンターの上位互換のように感じました。基本的に送料がかかってしまうことが難点ではありますが、今後も折々で利用していこうと思います。
工具の話に移ります。
ホームセンターの工具売り場には300円の六角レンチセットから「プロ向け」と銘打たれた3000円以上の六角レンチセットが置いてあります。
今までは精度など気にせずに「とりあえず使えるなら安い方がいい」と考えて安い工具ばかり購入していましたが、結局ネジを破壊してしまったのでやはりプロ用の工具が存在しているのにはそれなりの理由と価値があるということを知りました。
いくら工具が安く買えたとしても自転車側を壊してしまったら意味がありません。まさしく安物買いの銭失いという言葉がふさわしいです。
これからは工具の質にも気を配って行く必要があると実感いたしました。
それでは当ブログに興味をもち、記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます!またお会いしましょう!