GRAILに完全に適合するフレームバッグがこの世の中にないのなら、いっそ1枚の布から自作してしまえ!という考えのもと、フレームバッグを手芸専門店から購入した素材を使ってDIYします。今回は作成前の模型作りを紹介します。
はじめに
皆さまおはようございます。
今回から、当ブログ始まって以来の大掛かりな計画を始めようと思います。
それはズバリ、フレームバッグを一から製作するという未知の作業です。
こんなチャレンジをするからには「さぞ裁縫のスキルが高いのだろう」と思われるかもしれませんが、実は全くそんなことはありません。
最後にまともな裁縫をしたのは小学校の家庭科の時間、その後はコートのボタンを修理したことがある程度の、超がつくほどの初心者です。
経験がないものでうまくいくかどうかはわかりませんが、イメージだけはすでにはっきりと完成しているので、それをうまく形にできるよう頑張っていきます。
なぜ自作フレームバッグが必要なのか?
前回の記事で、私が現在つかっているTOPEAKのミッドローダー(4.5L)には不満点があることを説明いたしました。
簡単に言ってしまえば、GRAIL(Sサイズ)のフレームと、バッグの大きさが合わないという問題がありました。
これを解決するために、前回は100円ショップの商品を材料に小型の拡張フレームバッグを自作したのでした。
簡単なDIYのわりにはしっかりと使うことのできるバッグになったので、満足することができました。
このDIYを皮切りに、私の中で一種の製作欲が湧き上がってきてしまい、どうせならGRAILに完璧にマッチするフレームバッグが欲しい!という欲望に負けてしまいました。
この気持ちが冷めてしまう前に、突貫で作製していこうと思います!
フレームバッグの素材
早速、地域で一番大きな手芸専門店に足を運びました。
フレームバッグのメイン素材として、最初は帆布という丈夫な布を探す予定でした。
しかしたまたま店頭で合皮の在庫処分品が陳列されており、その中の一つからビビッとくる色の皮を見つけたので、計画を変更してフレームバッグは合皮製にすることにいたしました。
手芸専門店で買ってきた素材たちです。
この50x100cmほどの合皮がセールで800円ほどだったので、上の写真のものを全て合わせて2500円ほどで購入することができました。
一つ一つ細かく見ていきます。
まずはバッグのメイン素材となる布からです。
私は門外漢のため残念ながら布の材質には詳しくありません。とりあえず触ったところ、表側の濃茶色の材質はスエードのようなザラザラとした皮素材でした。明茶色の裏側は皮というより糸を編んで作られた布らしさのある材質です。
厚みもそこそこあるのでしっかり丈夫なバッグが作れそうです。アウトレット品の端切れだったので、生地は少々小さめです。
お次はミシン糸で、これは厚みのある合皮を縫い合わせることができるように厚地用の糸を購入いたしました。
色もメイン素材に合わせて茶色系をチョイスしました。
次にベルトです。これは主にフレームにバッグを固定するパーツに用いる予定です。長さにして3 mほど購入しました。
色はやや明るめの茶色です。濃茶色が欲しかったのですが、売り切れだったので今回は妥協です。
そしてファスナーにはYKK製の茶色のものを選びました。
長さは35 cmをチョイスです。バッグの全長が50 cm前後になる予定なので。
ジップ部はアンティーク感のある金属色で、引き手はボールタイプにしました。このボール部分が走行中の振動でぶつかり、ノイズを発生させてしまう可能性もありますが、もしそうなれば引き手をレジンコーティング加工するなどして対応しようと思います。
最後にマジックテープです。これも同じく茶色を選びました。
ベルトにミシン縫いで取り付ける用として用意しました。テープにはオスとメスがあるようなので、それぞれ1 mずつ購入です。
加えて、100円ショップでバッグの仕上げに使えそうな商品をいくつか買ってみました。
これらが活躍するのは次回以降なので、紹介も後回しにさせていただきます。
バッグの形状を考える:採寸
さて、ボトルをつけたこの状態から、フレームバッグの大きさや形状を思い描いていきます。
ここで使うのが、同じく100均で買ってきたB4サイズの画用紙です。
この画用紙をフレームの後ろに当てて、ペンでなんとなくの外形の線を引いてみます。
書き上がりました。
一般的な長方形と迷ったのですが、せっかく自作するのだからフレームの形状に完全にマッチするバッグを作りたくなったので、このような最大サイズとなる形状にすることにいたしました。
次にメジャーを使い、フレームの正確な長さを計測していきます。
この計測値を元に、画用紙に書いた線を修正し、大体の寸法を上から書き加えます。
布を縫い合わせるためには縫い代(ぬいしろ)が必要なので、赤ペンで外形を囲みます。
ここまできたら、画用紙を切り出して縫い代を折りたたみます。
これで模型(仮)の側面が完成したので、早速フレームにはめ込んでみます。
やはり適当に引いた線ということで、所々のサイズが合っていません。
横幅が大きすぎてフレーム内に収まりきっていませんし、曲線の角度もズレています。
そこで、画用紙の端を手で少しずつ折り曲げていき、1mmレベルでの微調整を繰り返します。
こうして、フレームの形状に完全に適合する模型の側面が完成しました。
この形状を画用紙に写し取っておき、本番で布を切り出す時の金型にします。
画用紙を組み合わせてバッグの模型を作る
立体物の模型をつくるために、縫い代のついた側面模型をもう一つ複製しました。
お次は、バッグのマチ(横幅)となる布の金型を作成します。
TOPEAKのミッドローダーを参考にして、バッグの1周を取り巻くループ鎖にすることにいたしました。
こうしてできたループ鎖と側面の画用紙を組み合わせて、立体的な模型を作ります。
いよいよ本格的にフレームバッグらしくなってきました。
どんどんいきましょう。次はバッグとフレームを固定するベルト部です。
このベルトの位置にもこだわっていきたいと思います。
GRAILのトップチューブには「GRAIL CF SL」のロゴがあり、これが隠れない位置にベルトを取り付けることにします。
いままで完全に隠れてしまっていたこのロゴに、これからは日の目を見させてあげようという目論見です。
バッグにつけるベルトは全部で5本にすることにいたしました。
ダウンチューブのベルトは「CANYON」のロゴを隠さないように位置を微調節します。
バッグ本体にベルトを取り付ける方法ですが、これはミッドローダーを参考にしました。
このように、2本のベルトをクロスさせる形でバッグに通します。
バッグ側のベルトは本体に縫い付け、フレーム側のベルトはそれらの隙間に通すことで自由に動くようにします。
本番を見据えての最終調整
先ほど作った模型を解体し、ループ鎖の長さを確認します。
合皮の大きさが足りるか心配でしたが、こうして乗せてみるとループ鎖を分割して切り出せばそこそこ余裕がありそうです。この感じなら余剰パーツに手を出しても大丈夫そうです。
本番では、この100均で購入したプラ底板をバッグの底面にはめ込もうと考えております。
このプラ板を入れることによって型崩れを防止でき、重い荷物や鋭利なものを入れてもバッグが破れないように保護することができます。
ただ底面に敷くだけでは効果が薄いので、バッグに埋め込めるような工夫をしようと思っています。詳しいやり方は次回ご紹介いたします。
さて、今度はファスナーの位置を決めます。
まずはファスナーを開ける向きです。ミッドローダーは左→右に開いていたのですが、今回はその逆にしようと思います。
右→左、つまりバッグをフレームに取り付けた状態では前→後にファスナーが開くようにする理由は、
・走行中に手が届きやすい / 取り出しやすい
・充電コードをファスナーの隙間からハンドルに伸ばすことができる
という2点です。
走行中にサイコンやライトを充電することは私の運用状況ではほとんどありませんが、一応できるようにしておくことに損はないと思ったのでこの向きにすることにいたしました。
実際に模型に穴をあけ、裏からファスナーを取り付けてみました。
ファスナーを開けてみて、イメージ通りか確認します。
よさそうです。なるべく高い位置にファスナーをつけることで、走行中に開けたときに内容物が落ちてしまうリスクを減らします。
あとは、合皮の余りに余裕があればミッドローダーのように「ファスナーを上から隠すのれん」のようなものを取り付けたいですね。
余裕があれば検討します。
おわりに
というわけで、今回はフレームバッグを自作するにあたっての採寸や模型による微調整を行いました。
初めての作業ですが、意外なことに私の頭の中ではミシン縫いからバッグの完成までの細かい道筋が完全にイメージ化できています。
そのイメージを現実のものにできるかどうかはこれからの私の裁縫スキルにかかっておりますので、既製品のバッグの裏側を色々観察するなどして知識を深め、より良いバッグが作れるようにしていこうと思います。
それでは当ブログに興味をもち、記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます!またお会いしましょう!
(追記:2019/04/19)
この記事の続きです。合わせてお読みください。
(追記ここまで)