ロングライドで気になる手の痛みを、100円ショップの地震対策ゲルで解決してしまいます。また、STIのグリップのしやすさ、握りやすさも向上させるDIYを紹介しています。
はじめに
皆さま、おはようございます。
今回は100円ショップのゲル(地震対策や疲労軽減用)を使った、簡単なDIY工作を行いました。
ロングライドに伴う痛みといえば、まずお尻や会陰部が挙げられますが、手のひらの痛みにも悩まされているライダーさんも少なからずいるのではないでしょうか?
この手のひらの痛みに対して、一体どのような方法でゲルを利用したのか、またこの作戦がうまくいったのかについて、詳しく解説していきます。
300kmを超えると出てくる痛みとは!?
ロングライドと一言にまとめても、人によってその距離は様々です。
一般的には100から150kmを超えるとロングと言って差し支えなく、一日で走ることのできる距離の限界である600km前後までがロングライドとして想定しうる範囲でしょう。
個人的な話になってしまいますが、私は一回走り出すと可能な限り遠くへ行きたくなる性なので、だいたいのライドが150km以上になってしまいます。
平均すると150〜200km程度になるのですが、ごくたまに250kmや300kmのような(私にとって)長距離になることがあります。
そして私が300kmを走ると、決まって150〜200kmでは起こらない問題が発生してしまいます。
それは母指球の痛み/痺れ です。
ロングライドをしている時間の大半は、上の写真のようなブラケットボジションをとっています。
手が疲れてきたときや、上体を起こして楽をしたいときは上ハンドルを握ることもあります。
GRAILの上ハンドルはホバーバーとなっているため、普通のロードバイクと比べても快適性が高いです。
私のGRAILには振動吸収性の優れたバーテープである、シクロベイションの「レザータッチ カメレオン」が巻かれているので、上ハンを握っている限りは手が疲れることも痛み出すこともありません。
ここで考えるべきは、
ブラケットは握っている時間がもっとも長い場所であるのにも関わらず、ロードバイクというものは上ハンや下ハンにだけバーテープが巻かれ、ブラケットにバーテープは巻かれることなく、ただゴムのブラケットカバーで覆うだけ、
という矛盾した構造になっているということです。
R7020系のSTIブレーキレバーは横から見るとかなり平たく、横に広い形状をしていることがわかります。
平たく広いおかげで、握り心地がかなりいいですし、手に体重をかけた時の安定感もしっかりしています。
しかし前述のように、このブラケットの裏側にバーテープは存在せず、ただSTIのプラスチック部が埋まっているだけです。
このプラスチック部が、300kmロングライド時の手のひらへのダメージの原因となっていることがわかってきました。
ちょうどグローブにもこの部分のパッドがないため、母指球の神経が圧迫されて痺れを感じてしまうようです。
100円ショップで防振ゲルを買ってみた
そこで今回買ってきたのが、この100均(Seria)の「地震対策GEL」と「GEL CUSHION (靴用)」です。
これらをブラケットとブラケットカバーの内側に挟むことで、母指球へのダメージを軽減できないか?と考えたわけです。
まずは青い方の防振ゲル(Lサイズ)を取り出してみます。
思った以上に厚みがあります。
上下に透明なビニールシートが貼ってあり、これを剥がすことで粘着性のある表面が出てきます。
ブラケットカバーをずり上げて、オイルラインの上に置いてみました。結構な存在感です。
あとはブラケットカバーを元に戻していきます。
力を込めてひっぱると、少しづつですが覆いかぶさるように戻っていきました。
とりあえず元に戻りました。
青いゲルがブラケットカバーからはみ出していますが、これは後から調節すればいいのでまずは結果の検証をすることにします。
上から見た図。形は歪ですが、カバーは一応元の位置まで戻すことができています。
実際に握ってみました。
想像していたよりもプヨプヨ感は少ないですが、確かな柔らかさを感じます。
これなら振動吸収力に間違いなく効果アリです。
効果が確認できたところで、一回りサイズが小さいMサイズのゲルを試してみることにします。
厚みは先ほどと同じですが、幅が小さくなったのでブラケットにぴったりサイズです。
カバーを戻してみても、ゲルはほとんどはみ出しませんでした。
指で強く押すと、しっかりとした弾力が感じられます。
靴用の疲労軽減ゲルを試す!
これにて解決、記事おしまい!
としてもいいほど十分な結果にはなったのですが、上記の青ゲルには1つの懸念材料があります。
それは「太陽の熱でゲルが溶けてしまい、ブラケットの内側がベタベタにくっつかないか?」という問題です。
この地震対策ゲルはかなり柔らかいゲル素材でできているので、結構熱に弱そうな雰囲気があります。
また両面が粘着質なので、たとえ熱で溶けなくとも経年劣化でゲルがブラケットカバーにこびりついてしまう可能性は大いにあります。
そこで次は、より硬く・片面のみ粘着質な、靴用ゲルを試してみることにします。
もちろんこのサイズのままでは使えないので、ハサミでちょうど良いサイズに切り分けてから使います。
サイズと形は、先ほどのMサイズ青ゲルとだいたい同じくらいにしました。
粘着質でないほう(靴底で本来足裏と触れる側)は凸凹の滑り止め加工がされているので、粘着効果がなくともカバーにしっかり固定されて、ずり落ちることはなさそうです。
同様にカバーを戻して、上から見てみます。
カバーがそこそこ膨らんでいますが、一応元に戻すことはできています。
ブラケットを横から見ると、ゲルを入れた部分が少し出っ張っていることがわかります。
盛り上がった部分は普通に握りにくい(=力を伝えにくい)ので、この状態からうまく微調整していく必要があります。
ゲルの量、形、向きを調整する
青ゲルよりも硬いことが気になるので、次は靴用ゲルを二重に重ねることにします。
果たしてブラケットカバーは元に戻るのか?
できました。
とはいえ、後ろから見るとブラケットカバーとハンドルの間にかなり大きな隙間ができてしまっているので、見栄え的にも泥詰まりや汚れやすさ的に考えても、あまり理想的な重ね方ではないでしょう。
ゲルを1枚に戻し、今度はSTIの側面にもゲルを貼ってみることにしました。
これでグローブの母指球に当たっていた箇所は全てゲルに覆われた、と考えて差し支えなくなりました。
あとは、自分の手の形に合わせてゲルの形を整えて、STIをより握りやすくします。
色々試行錯誤を繰り返し・・・。
もっとも握りやすく、ゲルの振動吸収を最大限高めた構造を作ることができました。
自分の手の形に合わせて、色々なゲルの重ね合わせに挑戦できますね。
左右のSTIにゲルをインストール
こうしてゲルの積層構造が決まったので、反対側のブラケットにも同様にゲルを置きます。
ブラケットカバーを下ろしても特にゲルの膨らみが目立ってしまうことはなく、スッキリしたハンドル周りをキープできています。
後ろから見ても同様です。
握り心地はかなり良好です。
振動吸収だけでなく、ブラケットの握りやすさまで変えることができました。
おわりに
というわけで、今回はSTIのブラケットカバー裏に振動吸収ゲルを仕込んでみました。
実際の効果については次回以降の記事にご期待ください。
実際に300kmほどのロングライドに挑戦してみて、以前と比べて振動ダメージが減ったかどうか、母指球の痺れはどうなったかについてレビューしてみようと思います。
(ゲル導入後のGRAIL)
また、ここしばらく記事の更新が滞っていたことをここにお詫び申し上げます。
夏ごろを目処に、また更新頻度を元に戻していく予定ですので、今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。
それでは当ブログに興味をもち、記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます!またお会いしましょう!
ACに捧ぐ
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