ディスクロードのローターの音鳴り問題を解決すべく、デュラエースのローターにアップグレードしました。果たして冷却効果は向上するのか?についてインプレをまとめています。
- はじめに
- 105のローターはMTBとの共用グレード品
- 105のローターは冷却力不足?
- ローターの取り外し・SM-RT900に交換
- デュラエースのローターは黒塗りのフィンがおしゃれ
- ローターのフィンによって音鳴り問題は解決したのか?
- おわりに
はじめに
皆さまおはようございます。
今回はGRAILのディスクローターの交換、それも105から一気にデュラエースにアップグレードしてみました!というお話です。
ローター交換の恩恵は果たしてあるのでしょうか?早速みていきましょう。
105のローターはMTBとの共用グレード品
私のGRAILの型番はCF SL 7.0なので、105完成車、つまりローターにはR7000系であるSM-RT70というものが装着されておりました。
定価は¥3,000ほどで、Amazonでも入手可能です。
このローターはR7000系ということにはなっていますが、ロード用の140mm,160mmの他にマウンテンバイクに使うことができる180mm,203mmも用意されています。
105よりグレードの高いアルテグラ、デュラエースにはこれらのMTB向けラインナップが存在せず、ロード用の140/160mmのみとなっており、105の汎用性の高さが伺い知れます。
アルテグラになると「アイステクノロジーフリーザ構造」という名前の大型フィンが加わり、見た目もよりイカつい雰囲気に変わります。
このフィンが関係してか、お値段は一気に上がって¥5,000弱になります。
105のローターは冷却力不足?
エベレスティングに向け、最近はヒルクライムのトレーニングに躍起になっている私ですが、どうも最近ローターの冷却力不足を感じることが多くなってきました。
具体的には、45〜50km/hで勾配10%付近の坂を下る際、カーブでブレーキを小刻みにかけると「心配になるような異音」に悩まされるようになりました。
通常はブレーキをかけてもほとんど音は鳴りませんが、上記の条件でブレーキレバーを引くと、
①無音(初期状態)
→②ジャッジャッジャッ・・・(擦っている音)
→③プォオオ〜ン(大きな音鳴り)
というブレーキノイズが大音量で発せられます。
②の音はブレーキ回数が増え、冷却が間に合わなくなってくると鳴り出すことから、ローターが熱で変形して、ブレーキパッドと擦るようになってしまっていると考えられます。
③の音はローターの変形がさらに大きくなり、片効きのような状況になってしまっているものと考えられ、この状態でさらにブレーキをし続けると万が一にはフェード現象が起こってしまうかもしれません。
(フェード現象とは、ブレーキの過剰な熱でブレーキパッドの樹脂が溶けてガス化し、そのガスがローターの周りに滞留することでブレーキングの摩擦力を低下させてしまう(滑りやすくなってしまう)現象のこと)
これらの音鳴りを防ぐために、2通りの解決策が考えられます。
①ブレーキパッドをフィン付きのものに交換する
GRAILの105完成車に付いてくるブレーキパッドは残念ながらフィン無しタイプの廉価版です。
パッドをフィン付きのものに交換することによって冷却効果が向上し、フェード現象を予防することができます。
しかし今回の音鳴りはおそらくローターの変形によるものである可能性が高いので、最も効果的な対処法は、
②ローターをフィン付きのものに交換する
こちらの方法のほうがよいでしょう。
したがって前述のULTEGRAのローターにグレードアップをすることにいたしました。
ところが色々と通販サイトを巡っていたところ、Aliexpressにさらに1つ上のグレード、DURA-ACEのローターであるSM-RT900をおよそ¥5,500で販売しているセラーを発見したことで、こちらを買うことに決定いたしました。
定価が¥8,000以上ということを考えると、これは破格というほかないでしょう。
あと1000円安ければ中華製のパチモン(SHIMANO製品のローターでは見たことありませんが)を疑っていたところですが、まぁありえなくもない価格であることと、フィードバックの評価がかなり良いということから正規品と踏んで購入することにいたしました。
ローターの取り外し・SM-RT900に交換
ということで届きました、デュラエースのローターです。サイズは160mmを選択いたしました。
平地を走るだけなら140mmの方が軽量化にもなるため良いのですが、今回はダウンヒルの冷却力向上のためのアップグレードなので、より熱効率の高い160mm一択です。
ローターの交換方法は、完成車のホイールから中華カーボンに換装したときの記事で紹介したので、未読の方は以下のリンクから是非どうぞ。
同様にロックリングを外して105のローターを取り外します。
重量はロックリングを含めて148gでした。
一方でデュラエースのローターは126g。前後で44gの軽量化です。
ロックリングの色に注目すると、105,ULTEGRAのロックリングは普通の黒色で、 DURA-ACEだけアルマイト加工のような青みがかったシルバーだということに、今回初めて気がつきました。
ロックリングの色が違うだけでオシャレ感・高級感が大きく変わることに驚きです。
ロックリングの内側にフィニッシュラインのプレミアムグリスを塗り、ローターを換装しておしまいです。
デュラエースのローターは黒塗りのフィンがおしゃれ
さて、はじめてのデュラエースを装備したGRAILの写真を何枚か見てみましょう。
まずは逆側から。
次にローター側からみてみます。ディープリムのオリジナルステッカーはこの写真を撮るために片側だけ貼らないままにしておきました。
どうでしょうか。黒いフィンがいいアクセントになって綺麗に映ります。
元々GRAILは銅色にマットブラックの差し色が入っているので、ローターを交換したことでむしろ完成車感が上がったような気がします。
完成車状態のGRAILと比較するともはや別カテゴリーのバイクのようですね。
ローターのフィンによって音鳴り問題は解決したのか?
本題の音鳴り問題ですが、これでなんと完璧に解決いたしました!
交換前と同様にジャッジャッジャッ・・・と擦っている音までは鳴るのですが、その音は3秒ほどブレーキをしないでおくと鳴り止むようになりました。
つまりこのわずか3秒の間にローターが一気に空冷され、円盤の歪みが元に戻ったということでしょう。
パオーンという鳴き声は一切鳴らなくなりました。正直フィンの効果には懐疑的な部分もあったので、ここまで顕著に改善したことに驚きを隠せません。
流石SHIMANO、流石DURA-ACE!
おわりに
今回はローターの音鳴り問題を解決すべく、デュラエースのローターにアップグレード、そして無事に効果を実感することができました。
フィンによるこの冷却効果はULTEGRAのSM-RT800でも同様の効果が期待できるそうなので、フィンなしのローターを装備したディスクロードをお持ちなら、是非アップグレードを考えてみてはいかがでしょうか?
アルテグラなら、デュラよりも出費を抑えてブレーキ性能をアップできますし、シルバー色のほうが好みの方も多いでしょう。
(デュラエースのローターは記事執筆時には欠品中。)
色々パーツを弄って行くことで、愛車への愛着もますますアップしますね。
それでは今回はここまでです。エベレスティングに向けてのトレーニングも終盤になり、いよいよ本番が近づいてまいりました。
終わった後は実際にチャレンジしてみてのインプレや、それに至るまでの準備やコース選定、特殊な装備について報告いたします。
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以上、WithGrailでした。記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
良い一日を。またお会いしましょう!