中華パワーメーターであるXCADEYのX-POWERを海外通販で購入し、GRAILに装着するまでの過程をまとめています。
はじめに
みなさんおはようございます。
今回は、パワーメーターのお話をしたいと思います。
これまでのパワー観について
私は今までパワーメーターを持っておらず、特段必要とは考えておりませんでした。
自転車のスタイルとしても、ロングライドや連泊ツーリングをメインに活動していたので、
・スピードとケイデンスさえ知っておけばOK。サイコンそんな見ないし・・・。
・パワー値なんてレースに出場するようなガチの人向けのものでしょ。
などと思っておりました。
しかしそんな考えにも変化が。その理由はこの冬から導入したZwiftです。
Zwiftでは、たとえパワーメーターを接続していなくても"Zpower(ゼットパワー)"という「仮想パワー値」を常に表示してくれます。
これはケイデンスやスピード、事前に登録した体重などから総合的に算出されているようです。
こうして私は初めて(仮想値とはいえ)パワーに触れてみて、今までの考えを改めざるを得ないと感じました。
・パワー値を見ながら調節して走れば、長い距離をより楽に走ることができる!
・数値で視覚化することによって、自分のコンディション・疲労度が一発でわかる!
・表示されているのは「イコール自分の実力」。つまりスピード、ケイデンスよりもモチベーションアップに直結!
というとても便利なものなのだと思い知りました。
特にロングライドでときおり訪れる、「全然ペダルが回らなくなった・・・。」という状況のときに
これは微妙な上り坂だから?実は向かい風だから?それとも本当に身体が疲れているからなの?
ということを一目で判別できることが素晴らしいです。普段と変わらずパワー値が出ていれば坂や風の影響ですし、出ていなければ筋肉や体力的疲労であることが明らかです。
「やはり一般人サイクリストにもパワー表示が必要だ。」と、そう感じたわけです。そこで今回、パワーメーターの購入に踏み切りました。
この記事では購入から装着までをご紹介!
今回は前後編で2記事に分けてご紹介していきます。
①中華パワーメーター購入 & 装着 編
②中華パワーメーターのレビュー
この記事は①となっております。②だけが気になる方は記事のリンクから後編をお読みください!
①パワーメーター購入 & 装着 編
購入したパワーメーターについて
私が今回購入したパワーメーターはこちらです。
XCADEYという中国企業(?)のパワーメーター、X-POWERです。
よくあるクランク型のパワーメーターで、左のアームにのみセンサーがついています。つまり片足計測のパワーメーターなので、両足のバランス等は確認できません。
読み方は「エクスキャディ」・・・と思いきや、動画での発音は「エックスケイディ」でした。間違えている人は結構多いはず。
タイプとしてはStagesのパワーメーターと同系統です。
なぜこのXCADEYなのか? |中華系パワメ大躍進の理由
理由は簡単。とにかく安い!からです。
例えば↑の写真で挙げたStagesのパワーメーターは、最安モデルでおよそ7万円もします。
これでもパワーメーター界隈としてはかなりお手頃価格なほうで、
普通はこのくらいが相場です。
13万円・・・。
初パワーメーターで右も左もわからない状態では、とてもじゃないですが手が出せません。
ですがこのX-POWERは、 驚きの3万円です。3万ですよ3万!
この画面を見ただけでわかる人も多いかと思いますが、このXCADEYのパワーメーターX-POWERは中国の通販サイト、AliExpressで販売されています。
AliExpress (以後,アリエク) は、中国の超巨大企業アリババグループが運営している、外国人向けのネット通販サイトです。
アリエクは中国国外の外国人に向けて作られていますので、日本語(や英語)に対応しており中国語を翻訳にかける必要がない、非常に使いやすい通販サイトです。
そしてこのX-POWERはその安さと入手し易さから、
すでに日本人ユーザーもそれなりに多く、レビューや情報が簡単に手に入るという大きなメリットがあります。
実際に他の方々のレビューを参考にして、信頼度がそこそこありそうだと判断できたので安心して購入することができました。
中国のパワーメーター 、XCADEYを注文してみた
アリエクで1/31に注文し、家に到着したのは2/21でした。
海外通販にしてもやけに到着が遅かったわけですが、それは春節(=中国の旧正月)を間に挟んでしまったからです。
春節時には、中国では配送業が完全にストップしてしまうので、春節が終わるまで待たされることになります。これもお国柄ですね。
(しかしアリエクが春節としてお休みしている日数は約2週間で、中国の実際の春節期間よりも1週間ほど長いです。ちょっと休みすぎではないでしょうか・・・?)
Aliexpressから中華パワーメーターが到着!
時間はかかりましたが、無事に中国から日本の我が家まで荷物が届きました。
外装はこんな箱です。 結構高級感があって驚きました。
ただしこの箱の外側は、届いた時には箱の周りを紙ダンボール1枚で包んだだけの割と簡素な梱包でした。海外通販の梱包に期待してはいけない。
それでは中を開けていきます。
中身は以外に少ないです。クランク&パワーメーターセット、説明書、予備の電池蓋、それからクランクキャップの4点のみですね。
クランクの裏側を見てみると、AntとBLEの対応マークがついています。
あれ、Ant+しか対応してないと思っていたら、いつの間にかBluetoothにも対応しているみたいです。
ちょっと気になったので、Aliexpressの説明欄ではなく公式サイトのスペック表を確認しに行きます。
「Data Protocol:Ant+, Bluetooth」としっかり記載されていました。
アリエク上では古いデータでしたが、実際には両方使えることになっているようです。
105のクランクを外す
X-POWERにはアルテグラかデュラエースのモデルしかありません。(2019-02現在)
私のGRAILは105完成車ですので、互換性が一番気になるところです。
しかしシマノのR7000(105), R8000(アルテグラ), R9100(デュラエース)は同世代の兄弟コンポかつ全て11速なので、基本的にほとんど流用できると考えて問題ないでしょう。
というよりもはやR8000とR7000は色も形もほぼ同じ・性能差もごく僅かなので、ロゴさえ削ってしまえばお互いを区別することが難しいくらいです。
ということで、互換性は問題ないだろうということで、今回私はR8000・アルテグラモデルのX-POWERを購入いたしました。
クランク固定ボルトを外していきます。
クランク取り付けボルトを専用工具で外します。
差し込んでぐるぐる回すとクランクが外れます。。
このクランクキャップ外し工具ですが、(力をかけると指が滑るため)正直使い勝手は悪いです。そこでこんな形状のものが社外製で販売されています。
こちらの方が力を掛けやすそうなので、使い勝手も上でしょう。そのうち是非こちらに新調したいですね。
さて、そうこうしているうちに外れました。
あとはマイナスドライバーのような細いもので脱落防止用のツメを外せばOKです。
クランクの細い切れ目めがけて差し込み、下から上に向けてクッと力をかけます。
するとツメが上がるので、そのまま引っこ抜きましょう。小さいパーツなので無くさないよう注意しないといけませんね。
クランクはもうとっくにフリー状態なので、まっすぐ引き抜いてあげればスポッと取り外すことができます。これで交換の準備は完了です。
なお表記を見ればわかりますが、GRAILのBBはSHIMANOのホローテック2(の105グレード。圧入式)のようです。
せっかくなので、R8000とR7000のクランクアームを横に置いて比較してみます。
こうしてみると文字の上下が逆なんですね。全然知りませんでした。
調べてみると、デュラエースは105と同じ向きなのに、なぜがアルテグラだけ文字が上下逆にデザインされているようです。
裏面。グリスで汚れてはいますが、形状も色合いもほぼ一緒です。
比較はこの辺りにして、X-POWERの方のクランクに交換します。何も難しいことはなく、取り外しと逆の順序でクランクを取り付ければおしまいです。
金属同士が接する箇所にはグリスを塗っておきましょう。
スマホアプリを通してパワーメーターのファームウェアをアップデート
「XCADEY」とスマホのアプリストアで検索すると専用のアプリがDLできます。(iOS, Androidの両方のストアで配信中です。)
このアプリで出来ることは、X-POWERのソフトウェアアップデートとパワーの校正です。
XCADEYのペアリングのしかた
X-POWER側にスイッチなどは特にないので、電池蓋を開け、電池を一度抜いて再び差すことでペアリングが開始されます。
待つこと3秒弱。無事にスマホの画面には個体名やバッテリー残量が表示され、接続できたことを教えてくれます。
このままいきなり使うこともできますが、まずはファームウェアアップデートを押します。
不具合・バグに遭遇しないためにも、こまめなアップデートは必要でしょう。
アップデートの失敗でいきなり文鎮化したりしないでくれよ・・・
と心配しておりましたが、無事に最新版へとアップデートできました。
おわりに
中途半端ですが、今回はここまでとします。
次回の②パワーメーターのレビューの記事では、キャリブレーション(校正)を行ってから、様々な検証を行っていきます。
次の記事(パワーメーターのレビュー)でまとめたいこと
②-1 実際の使用感について
→そもそもXCADEYのX-POWERは普通にパワーメーターとして使えるのか? サイコンに認識されるのかもチェック。
②-2 Zwiftとの相性
→Zwiftにどのように認識されるのか。 接続のしかた。
②-3 XPOWERのパワー値と、ZwiftのZpower の比較
→XPOWERのパワー値がどれだけ正確なのか。
という流れで解説していこうと思います。
おまけ
クランクを外して初めて気がついたのですが、
このように、GRAILのチェーン側のチェーンステーにはアルミ製のフレームの保護カバーが付いていました。
傷つきやすい場所なので、このように保護してくれているのは嬉しいポイントです。
おまけ2
某掲示板で拾った情報なので信憑性は薄いですが、XCADEYからも両脚計測式のパワーメーターが出るみたいです。
ロゴ、ダサくはないけど余計だな・・・。
この両脚計測X-POWER、検索してもなかなか出てこないので、情報をお持ちの方はぜひご教授ください。
(2019/2/26 追記)
コメントで教えていただいたのですが、どうやらこの両足計測型のX-POWERも実際に生産されているようです。お値段 は15,900 タイバーツ = 約6万円 だそうです。
アプリなどのサポートにもある程度期待ができて、これだけ破格の値段で買うことのできるパワーメーターは他にないでしょう・・・。
(追記ここまで)
それでは当ブログに興味をもち、記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます!またお会いしましょう!
(追記:2019/3/8:後編はこちらです。)
(追記:2019/4/21)
・X-POWERの両足計測版が日本でも購入できるようになりました。グレードは105のR7000から選ぶことができるようになったようです。
(追記ここまで)