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ビード上げができない人必見!インフレーターポンプで簡単チューブレス化 & 空気漏れはどうなった?

インフレーターとチューブレスレディタイヤ

チューブレスタイヤに空気を入れてビード上げをする際の最終兵器、インフレーターを購入いたしましたので、そのレビューと性能調査を行います。以前から悩まされていたエア漏れ問題が解決したのかどうかについてもまとめています。

 

はじめに

皆さまおはようございます。

今回はインフレーターを用いたチューブレスレディタイヤのビード上げを行います。

 

前回の記事↓

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の続きとなっております。

 はたしてチューブレス用の新たなツールの性能はいかに!?

チューブレス化、あるいはインフレーター・タンク付きフロアポンプの導入を考えているかたに是非読んでいただきたいです。

 

そもそもインフレーターとは?:ビード上げラクラクツール

チューブレス化に際して、誰もが乗り越えなくてはならない「ビード上げ」という作業があります。

これは簡単に言ってしまえば、チューブの膨張力を借りずに、空気圧だけでタイヤをホイールにはめ込む作業です。

 

聞こえは簡単ですが、チューブレスレディタイヤというものはチューブレスタイヤと比べて作りが緩く、タイヤをホイールにつけた段階では隙間だらけのため、必死に空気を入れてもただ隙間から逃げていくだけ ビード上げどころかタイヤに空気を溜めることすら一苦労なのです。

(注: ホイールとタイヤの相性に大きく左右されます。) 

私が過去、四苦八苦しながらビードを上げたエピソードは、この記事からご覧いただけます。

www.grail-blog.com

この作業に対し、

隙間から空気が逃げるのなら、逃げ出す前に一気に空気を押し込めばいいはず!という考えを利用したものがエアーコンプレッサーという機械です。

工業用でよく用いられているのは、エンジンを使って空気を圧力タンクに蓄え、放出するタイプです。 

同じ原理で、あらかじめ空気を圧縮してタンクに詰めておき空気を入れる瞬間に一気に放出する、より小型で簡易的なものをインフレーターと呼びます。

CO2インフレーター

自転車の世界ではこのような形状のCO2インフレーターがメジャーな商品です。

(細かいですが、右側のCO2が入ったタンクはCO2ボンベで、正確に"インフレーター"と呼ぶのは写真左側の「ボンベとチューブを繋ぐ工具」のほうです。)

私も以前はCO2ボンベをよく携帯していたのですが、使い捨てというコスパの悪さから最近は専ら携帯ポンプをそのまま持ち歩いています。

化学的に二酸化炭素は普通の空気よりも抜けやすいというデメリットもありますし、"例のポンプ" のような軽量小型ポンプならさほど重量も気にならないので、今後CO2インフレーターに戻る予定もありません。

このCO2インフレーターのサイズを大きくし、CO2を封入する代わりに人力で空気を溜め込み、放出するタンクこそが、チューブレス用のインフレーターと呼ばれる代物です。

 

スペシャライズド: Air Tool Blast Tubeless Tire Setter が届いたぞ!

今回私が購入したインフレーターは、前回チラ見せしたこちらの製品です。

インフレーターチラ見せ

SPECIALIZED製の"Air Tool Blast Tubeless Tire Setter"と言います。

競合する似たような商品は各社から販売されていますが、私がこのインフレーターを選んだのは、

スペシャの製品がカッコよくて好きだからというだけの単純な理由です。性能面で他社製品との比較は特に考えずに購入いたしました。

 

 スペシャライズドの製品は完成車から小物パーツに至るまで正規代理店もしくは公式オンラインショップでしか販売できないきまりなので、そのどちらかを利用します。今回私は公式オンラインショップで購入いたしました。

定価 7,148円 + 送料です。 しめて8000円弱と、他社製品と同等、あるいはややお得なイメージです。最安はGIANT(6000円)でしょうか?

unboxingインフレーター

大きめのダンボールに包まれて到着です。今回も注文から3日もせず届きました。スペシャオンラインはいつも早くて助かります。

さっそく取り出してみると、かなりズッシリとした重さがあります。

スペシャライズドのインフレーター

フロアポンプと比べても2倍近く重いです。エアータンクが金属製となっているため重量があり、うっかり引っ掛けて倒してしまえば床が凹んでしまうかもしれません。

 

説明書は付属せず、直付けしてある紙に印刷してありました。

インフレーター説明書

7 - 9.5 barの間で使用するように、との注意書きがあります。思ったより高圧には対応していないようです。

 

裏面は使い方の説明イラストになっています。

インフレーター図

特に難しいことはなさそうです。

 

インフレーターの各部をみていく!: インプレ・分解

ここからはインフレーターをさらに詳しくみていきます。

(「興味ないからビード上げの結果だけを知りたいよ!」という方はこの章をスクロールして飛ばしてください。)

 

インフレーター自体にも説明イラストのシールが貼ってありました。

インフレーター表面イラスト

全体の外観です。ホースの長さは十分にあります。

インフレーターのホース

ホース伸ばした長さ

ホースの先端は仏式で、バルブとの固定方法はレバーを引くタイプのものでした。

また、本体の頭部の形状は、"コの字"になっています。持ちやすくするためでしょうか。

 

そしてスペシャライズドの"S"のロゴが目立ちます。

Sのロゴ

私は、このロゴマークのためだけにスペシャライズドのインフレーターを選んでしまったと言ってもあながち嘘ではない気がします。

スペシャ、いいですよね・・・(余談)

今年はドゥクーニンク・クイックステップがスペシャのバイクでロードレース界を完全に一人勝ちしているわけですが。

スペシャの白星がとてつもない勢いで増えていきファンとしても嬉しい限りです。一方でCANYONユーザーとしてはカチューシャ・アルペシンモビスターにも期待したいところです。

とはいえ2軍であるプロコンチネンタルチームでは期待の超大型新人マチュー・ファンデルプールCANYON無双をしているので、なかなか目が離せません。

(余談ここまで)

 

これが空気を解放する用のレバーです。樹脂製でSPECIALIZEDの刻印があります。

空気解放レバー

開放時はレバーを倒すと、タンク内の空気が一気にホースに流れ出す仕組みになっています。

開放時のレバー

この頭頂部にフロアポンプを接続して、タンクに空気を入れていくことになります。

ポンプ接合部のキャップ

キャップを外すと、米式のバルブが顔を出します。

米式接続穴

最後に、タンクの裏側のリングについてです。

タンクの裏側

このリングを引くことで、タンクに残った空気を抜くことができます。ばねの力でタンクの下蓋が解放される仕組みのようです。

減圧調節リング

使い終わったあとは余剰空気を抜くように上記のイラストで図示されているので、これに従って毎回抜くようにしようと思います。

(もし多量に高圧空気が残っていた場合の温度上昇によるタンク爆発の防御策なのかもしれませんが、人力で充填できる空気圧の範囲では基本的にそのようなことは起こり得ないでしょう。)

 

いよいよ本題:ビード上げは簡単にできるのか!?

さて、いよいよビード上げをしていきます。

 

まずはフロアポンプを接続します。インフレーター側のバルブは米式なので、ポンプ側の金具も米式に合わせます。

フロアポンプと接続

あとはポンピングでタンクに空気を圧縮していくだけです。

説明書きにもあったように7 ~ 9.5 barの範囲で空気を入れようと思いましたが、如何せん臆病なもので最初は5.5 barで試してみることにいたしました。

5.5barのメーター

(そもそもexposure 30タイヤの適正気圧は~6.5 barなので、高圧空気をいきなり入れてタイヤが急膨張&爆発したら怖いな・・・と思ったのでまずは超低圧で実験です。)

インフレーター低圧実験

ホースをチューブレスバルブに接続します。

ホースの先端

ホースの先端のレバーを引いて、バルブに完全に固定します。

固定されたホースのレバー

あとは本体のレバーを落として、タンクの空気を解放するだけです。

インフレーターのレバーON

おっかなびっくりレバーを落として、インフレーターON!

 

・・・ところが、タイヤとリムの間から空気が抜けていく音が聞こえ、ビードが上がるどころかタイヤに空気を溜めることもできませんでした。

失敗したビード上げ

失敗です。

やはり高圧で一気に空気を入れなければダメなのでしょうか?

7barのメーター

反省して、今度は7 barで再挑戦してみます。タイヤの適正空気圧から考えてもこのくらいがちょうどいいはずです。

 

先ほどはホイールを立てていましたが、今回は以前のビード上げの例にならってホイールを横倒しにして空気を入れてみます。

接地面のタイヤの歪みを無くし、空気漏れを少なくする戦法です。

ホイールを倒してビード上げ

いざ、インフレーターON!

 

・・・またしても空気が抜け出していく音、それに加えてシーラントが吹き出る音が聞こえました。

嫌な予感がしてホイールを起こして見てみます。

漏れ出たシーラント

これは・・・酷い・・・。

タイヤとリムの隙間からシーラントが出てきてしまったようです。

勿体無いのでシーラント容器で吸い取って再利用に回しました。

 

やはり石鹸水もなしにビード上げをするのは、いくらインフレーターとは言えども無茶だったのでしょうか?

これで結局石鹸水が必要なのだとしたら、わざわざ8000円弱するインフレーターを購入した意味がないな・・・と少し落ち込みます。

次が最後の手段です。これでダメなら石鹸水を持ち出してくるしかないでしょう。

宙に浮かせてビード上げ

ホイールを宙に浮かせた状態でビード上げをします。

これなら地面に接地したタイヤが歪む心配もなければ、シーラントが横からこぼれる心配もありません。

 

と、ここでバルブとホースの固定が甘いことに気がつきます。

バルブをしっかりと固定する

普段の空気入れでは多少の空気漏れがバルブ固定部からあっても空気は問題なく入るので、小さな隙間は神経質になるほど気をつけません。

しかし高圧空気を取り扱っている都合、完璧にバルブを固定する必要があるのかもしれません。より強い力でバルブを押し込んでみることにします。

 

差し込む角度も微調節し、ホースの穴がぴったりとバルブに固定されていることを確認します。

もしかしてこの微妙な隙間が失敗の原因だったのでは!?という微かな希望が芽生えてきます。

 

そしてレバーを倒すと、

パン!パァン!という大きな小気味よい音が聞こえ、無事ビードが上がりました!

ビード上げ成功
どうやら、空気圧の高低云々はもとより関係なくただバルブの固定がうまくいってなかっただけのようです。

 

こうしてビード上げは石鹸水なしで完遂することができました!

しかも、(失敗さえしていなければ)ほんの3分ほどの作業だけで簡単にビードを上げられたことになります。

これはもう、インフレーターは手放せないツールになりそうです。

 

エア抜けは解決したのか : 空気漏れの原因はビード上げ以外にあった?

さて、インフレーターによるビード上げでエア抜け問題は解決したのか?ということにも触れておく必要があります。

結論から言って、エア抜けは治りませんでした。

ビードを完璧に上げたのにも関わらず、3日後にはリアタイヤの空気圧は2 bar程度まで抜けてしまっていました。

 

こうなると、この後輪だけのエア抜けの原因はビードの隙間ではなく、前回発見したリムテープの隙間によるものである可能性が高いです。

リムテープの隙間

ですので、次回はチューブレス用リムテープの交換を行おうと思います。

ただ、タイヤの初期不良という線も考えられるので、最終的にはタイヤの追加購入も視野に入れなくてはいけないかもしれません。事実、フロントタイヤはフロアポンプでのビード上げでもエア抜けは起こっていないわけですし。

wtb exposure30

 

おまけ:インフレーターを軽く分解してみる

サイドの六角穴

細部を見ていくと、上部のサイドに六角レンチで開けられそうな穴を発見しました。

インフレーターを使うだけなら完全に無視していいはずの穴ですが、メカいじり好きの少年心がそうはさせません。

レンチでキャップを開ける

気がついたら、何も考えずにキャップを回していました。

外れたキャップ

簡単に外すことができました。キャップは樹脂製の蓋になっています。

このキャップを外したことによって、このインフレーターの他のどの箇所に影響が出たのかを探していきます。

外れたレバー

発見しました。空気のON/OFFを切り替えるレバーが外れるようになりました。

レバーの裏側

レバーの裏側には小さな銀色の金属球が埋まっており、本体側には球と同サイズの穴 (とバネ)が嵌っていました。

この球とバネの作用レバーの固定と回転を制御しているようですね。

 

さて、知的好奇心は満たされたのでレバーを戻して早速ビード上げに戻ります。

 

・・・と、ここで問題発生です。

なぜかレバーが元どおりに挿さらない

 

焦ってレバーの穴を覗いてみますと、

飛び出た謎の部品

なぜか穴の中に謎の部品が飛び出しています。この部品に引っかかってレバーを戻すことができません。

 

困りました・・・が、元に戻れないなら進むのみ!という考えのもと、さらに分解を進めていくことにいたしました。

もともとこのインフレーターは工場で一から組み立てられているはずなので、その組み立て段階をある程度まで戻ればこのパーツを取り付ける段階からやり直せるはず、という算段です。

 

インフレーター全体を見て、さらに分解できそうな箇所を探していると、またしても六角レンチで開けられそうなキャップが。

ホースの六角穴

ホースの取り付けキャップです。とりあえず開けてみます。

キャップを開ける

ちなみに、先ほどの六角レンチのサイズとは違う大きさの穴でした。

取り外したホース

ホースが外れました。さて、このホースを外した影響で次はどこが弄れるようになったのでしょうか?

外れた上部キャップ

なんと頭部の大きなキャップがそのまま外れました。

 

例の謎のパーツに光が届き、白い色がわかるようになりました。が、まだこのパーツを取り外すことはできなさそうです。

謎のパーツに光を当てる

ならば次は、この台座のネジを開けて先に進みます。

台座のネジ

十字ドライバーを使って4本の固定ネジを外します。

ネジを開ける

外れました。

外れた頭部台座

これでようやく例の白いパーツを分離することができるようになりました。

頭部台座の全体像

どうやら、このパーツは

・レバーがON → ばねが解放されてタンク内の空気がホースに流れ出す

・レバーがOFF → ばねが押さえ込まれて空気がストップ

切り替えを制御する栓のようです。

 

ばねを押し込めば引っ込むということがわかったので、あとは頭をフル回転させて、工場での本来の組み立て方法を考えるだけです。

 

分解したインフレーターの組み立て : 解決編

「このばねを上から抑えた状態で、レバーを差し込む

この2つを同時に行うにはどうすれば良いか。

私の考えた結論は「予め横から棒を差し込んでばねを抑え、レバーで棒を押し出す」という戦法です。

 

まずは細い棒で、上からばねを押さえつけます。

上からばねを抑え込む

ばねが下に押さえ込まれている間に、横から適当な太さの棒を差し込んでばねの押し込みを継続します。とりあえずドライバーを差し込んでみることにしました。

差し込まれたドライバー

これでバネは押し込まれた状態のままキープされているので、あとはドライバーの尻からレバーを入れ、ドライバーを押し出せば万事解決です。

押さえ込まれたバネ

・・・と、ここで頭部のキャップの存在を忘れていました。

このドライバー、はみ出した部分が長すぎてキャップが被せられません。

頭部のキャップ

何かドライバーの代わりになる、適当な太さで短い棒を探す必要があります。 

ありました。

工具箱の中に転がっていたソケットレンチ用のソケットです。

ソケット

ドライバーを引き抜き、同じ要領でソケットを差し込んでバネを押さえ込みます。

押し込まれたソケット

あとは頭部キャップを取り付け、レバーを差し込んでソケットを押し出します。

レバーで押し出し

パチン!という音と共に、前述の金属球バネがはまり込みレバーが固定されました。

元どおりのレバー

これにて一件落着です。

なんとも疲れました。これからもう迂闊に分解するのはやめておこうと思います。ただ、喉元過ぎれば熱さを忘れていそうではありますが。

 

おわりに 

今回は、チューブレスタイヤ用のインフレーターのレビュー性能調査に関してをまとめました。

エア抜け問題は解決しなかったものの、石鹸水を使わずにあっという間にビード上げをすることができ、インフレーターの性能には大満足となりました。

 

こんなことならもっと早く買っておけばよかったという後悔すらあります。

もしチューブレスタイヤの導入をこれから考えているかたがいらっしゃれば、労力と時間を無駄にしないことを考えて、最初からインフレーターの購入を強くお勧めいたします。

それでは記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、

ありがとうございます!またお会いしましょう!

 

↓後日、 60mmハイトの中華カーボンホイールでチューブレス化に挑戦してあっさり成功した記事です。合わせてお読みください。

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