シルエットからロードバイクの種類を当てるクイズを解きながら、ロードバイクの眺め方や見分け方について考えた記事です。
フレームの塗装の力を再確認することができました。
- シルエットクイズが面白そう|自転車の情報収集には海外メディアも
- シルエットクイズに挑戦してみよう|CyclingTips
- 機材オタクは一体ドコをみているのか|ロードバイクの特徴的なパーツ
- シルエットクイズはこう解く|知識量が全てなのか!?
- 結論:"全体"よりも"特徴的な一部"が印象を左右している
シルエットクイズが面白そう|自転車の情報収集には海外メディアも
皆さまおはようございます。WiithGrailへようこそ。
今回は海外の自転車情報サイトで見つけた面白い記事に関する読みものとなっています。内容としてはかなりニッチになっております。ご了承ください。
海外のサイトまで巡回し始めると、自転車がもっと好きになる・・・かも
突然ですが、皆さまは自転車関連の情報をどのような経路で入手することが多いでしょうか?
例えば、「2020年モデルのロードバイク情報」を例に挙げて考えてみましょう。
ほとんどの場合、新モデルの情報は(リアルイベントでの発表等を除いて)そのメーカーの公式サイトで最速公開されますね。
とはいえ毎日欠かさずに、たとえばCANYONの公式サイトを訪問している熱狂的なキャニオンマニア・・・はそういないと思います。
大抵はその発表を元に作成された自転車メディアの記事、あるいはSNS(特にTwitter, Facebook, Instagram)の投稿によって知ることが多いように思います。
あと考えられるのは、一般人のまとめたブログやYoutubeなどでしょうか。
私の場合、それに加えて海外の自転車情報サイトの存在が大きいように思います。
GCNやbikeraderなどの有名サイトのほか、私が最近特に好んで読んでいるのがCyclingTipsというスイス企業の運営するまとめサイトです。
日本のサイトはどこも「新聞的」な情報の羅列・淡白な記事が多いですが、概して海外サイトはどこかユーモラスな・独創性のある記事が多いような気がします。
これは、海外の自転車文化の長さ・歴史に根付く深さによるものなのかもしれませんね。
シルエットクイズに挑戦してみよう|CyclingTips
さて先日(19/12/06)、このCyclingTipsで面白いコンテンツがアップされていました。
タイトルは「Quiz: Can you guess the bike from the silhouette?」、日本語なら「シルエットから自転車を推測できるか?」です。
私が読んだ次の日に、(ちょっと異例なことですが)、CANYON社の公式広報Twitterと公式広報Facebookがなぜかこの記事をリツイート&シェアしていたことが印象に残っています。
「公式アカウントで言及するようなものなのか?」とは思いますが、確かにこのクイズはなかなかによくできており、面白いものでした。
もし気になるようでしたら、記事が消えてしまう前にまずは一度プレイしてみることをおすすめいたします。
機材オタクは一体ドコをみているのか|ロードバイクの特徴的なパーツ
このクイズは全15問で、ロードバイクのシルエットとともに選択肢が3〜5つ与えられるタイプになっています。
一問みただけで、
なんじゃこりゃ〜分かるわけないじゃないか〜
と笑ってしまいそうなクイズです。
なかには「同モデルの年式違い」なんて超難問もあり、とにかくディープでニッチなクイズです。作成者が重度の自転車機材オタクであることは間違いないでしょう。
一方、当ブログ管理人の私もいわゆる「チャリオタク」な自覚がないわけでもありません。
「半分くらいはなんとかなるかな?」と思って挑戦してみたところ、
15/15・・・。 なぜか全問正解してしまいました。
とはいえどうしても絞り込めずに、勘でまぐれ当たりした2問も含まれていますので、実質は13/15問正解です。
しかし予想以上の点数にアレ?と戸惑います。
自分は一体どのようにしてシルエットからロードバイクを判別できたのか?
という疑問が当然わきあがります。
この疑問を解くことで、もしかすると大切な知見を得られる可能性があります。
すなわち、「ヒトがロードバイクを眺めるとき、どこを見ているのか」
あるいは、「(黒塗りの状態でも)どの部分をカッコいいと判断しているのか」がわかってくるかもしれません。
この記事では、この問いを解き明かすべく、私なりの「このクイズ群の回答解説」をしてみようと思います。
自転車好きのかたは、ぜひともお付き合いお願いいたします。
シルエットクイズはこう解く|知識量が全てなのか!?
(ここからはクイズのネタバレ全開です。)
ロードバイクの印象は、まずフレーム形状から
まず1つ目のタイプ。「特徴的なフレーム形状から判別する」というもの。
このタイプはちょっとつまらないですね。単純に「そのフレームを知っているかどうか」という知識量のゼロかイチかで決まってしまいます。
ちなみに、この上のシルエットはシートチューブ前のトライアングル構造が特徴的なラピエールで決まりです。
(残りの2車種にもトライアングルはありますが、形状が異なります。)
「メーカー特有のパーツ」は大きな要素になりうる
次はもっと知識が少なくても解ける良問です。
明らかに特徴的なパーツがシルエットから伺えます。
このシルエットで真っ先に注目するのはフレーム形状ではなく、このクランクです。
執拗なまでの肉抜き加工がされており、かなり細身のチェーンリングが使われていることがわかります。
(出典: https://www.cannondale.com/ja-JP/Japan/Innovation/cranksets.aspx)
こんなクランクはキャノンデールの自社パーツブランド:HOLLOWGRAM (ホログラム)の超軽量スパイダークランク以外にありません。
これは高級品なので、アルミロードであるCAADには付属しません。よって答えは同社のハイエンドカーボンロードであるスーパーシックス (SuperSix)で決まりです。
このテクニックを使うことで、特徴的なパーツさえ知っていればフレームの形状を知らなくともメーカー名を1つに絞ることができます。
これは結構 "使える"ワザで、他の問題でも何度か使うことができました。
例えばこの問題のシルエットでは、シマノのデュラエースではなく、スペシャライズドの超高級カーボンクランク:S-WORKSクランクであることが明らかでした。
よって何も考えることなく他の2択(GIANT, TREK)を排除することができ、即答につながりました。
規格の新しさで判断する|近年のトレンドを知り、古いモデルを排除
次の問題が一番面白いですね。とてもシステマチックに解くことができます。
ぱっと見でフレームは明らかにエアロロード、選択肢も4つともそのようになっています。
しかし4つの中で半分は規格が古いロードバイクです。それが「A:CANYONのエアロード」と「C: SCOTTのフォイル」です。
近年に設計されたエアロロードは空力を意識して「ハンドル〜ステムのケーブルを内装化」したものがほとんどです。このシルエットの自転車もケーブルが内装化されているタイプだとわかります。
ところがCANYON AEROADは2015年設計、SCOTT Foilは2016年設計のため、ケーブル外装という古い規格になっています。よってこの時点でA, Cを排除できてしまいます。
規格のトレンドを押さえておけばかなりの問題に対応できます。これは重要なファクター足り得そうです。
完成車のコンポーネントで判断する
さて、先ほどの問題を解いてしまいましょう。
残るは2択ですが、「完成車がどんな構成で組まれているか」を考えます。
このシルエットクイズは、メーカーが売りに出している完成車の構成そのままで出題されているようです。つまり完成車のコンポーネントを知っていればほぼ一発でゴールにたどり着くことが可能です。
さて、もう一度じっくりシルエットを眺めてみましょう。
ここで、このシルエットになんだか違和感を抱く人も多いはず。それはホイールのリムハイトが前後で違うためでしょう。
まるでTTバイクのような構成をしていますね。こんな変態構成のエアロロードはGIANTのプロペルで決まりです。
フロント42mm、リア65mmのかなりハイト差のあるチョイスがされています。
ちなみにこのホイールはGIANT自社パーツブランド:CADEXの2020新商品で、結構大きな話題を呼びました。
カーボンスポーク&フックレスリムがウリのハイスペックホイールになっています。(フックレスのため専用タイヤ以外装着不可)
一方で、設問のもう一つの選択肢だったスペシャのVENGEは前後64mmハイトで統一されているので、その消去法からでも解くことができますね。
結論:"全体"よりも"特徴的な一部"が印象を左右している
と、いうことでここまで「回答の(個人的な)解説」として色々あれこれ話してみました。
総じて言えることは、私は「自転車の全体像」というよりは「一部のパーツ」に目を向けていることが多いということです。
逆に言うなれば、「ロードバイクは、全体像を一瞬チラ見しただけでは正しい車種を判別できない」とも考えられるかもしれません。
もちろん、実際のロードバイクにはカラー付きのペイントがされているので、チラ見だけでもメーカー名とモデル、場合によってはモデル年度までが一瞬で判別できることも少なくありません。
よって、シルエットにして初めてわかったことですが、フレームの塗装が与える印象というものは、想像以上に大きな情報量を持ったものだったようです。
ともかく、今回のCyclingTipsのエントリは色々考えさせられる面白い記事でした。いつか私もこのようなヒット記事を飛ばしてみたいものです。
最後に、当ブログオリジナルのシルエットクイズを貼っておしまいにしようと思います。
・・・ちょっと簡単すぎましたね。
以上、WithGrailでした。記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
良い一日を。またお会いしましょう!