前回到着したCANYON GRAILを組み立てます。画像を大量に撮ったので、それを一枚一枚細かなところまで確認しながら解説していきます。
- はじめに
- まずは固定具を外す
- ハンドルを取り付ける!
- フロントホイールを取り付ける!
- シートポストを差し込み、固定する。
- 今度こそフロントホイールを装着します
- 完成に向けて
- CANYONの梱包について
- ついに完成
- おわりに
はじめに
みなさんおはようございます。
前回の記事
www.grail-blog.com
ではなんと開封までしか終わらなかった、激遅ペースの当ブログでしたが、
今回のこの記事ではようやく組み立てまでを一気に終わらせてしまいます!
もう自分でもほかに書きたいことだらけなので組み立てはすっ飛ばしてしまいたい気持ちが山々なのですが、この段階を省略してしまうのはせっかくCANYONを選んだ意味がない!
ということで、今回も丁寧な記事にしていきます。
まずは固定具を外す
CANYONのバイクは、ハンドルとシートポストとフロントホイールのみが外れた状態で箱に入っているので、組み立てるのは非常に簡単です。
そのハンドルとフロントホイールは箱の中で動かないよう、フレームにしっかりと固定されています。
まずはその固定状態をよく見てみましょう。
まずはフレームのトップチューブに2つ。
シートポストとフロントホイールの上側が固定されています。
フロントホイールの下側はというと、シートステイに固定されていました。
もう一箇所、フロントホイールは左クランクにも固定されています。
3点留めですね。これなら絶対に動きません。
ハンドルの下側は、フロントフォークの間にしっかりと挟まっていました。
ヘッド部分にも、もう一箇所固定具が。これでハンドルは2点留めです。
留め具の単品はこんな感じ。ビート板のような素材の緩衝材と、布のベルトです。
ベルトはいわゆるマジックテープになっていますが、市販品のベリベリッ!と音がなるようなものではなく、もっと細かいギザギザ同士が噛み合って接着するような、表面がスベスベするちょっと上品なマジックテープ仕様になっていました。
ちょっと今までにみたことがないタイプですね。環境に配慮を欠かさない、ドイツならではの新技術なのでしょうか?
そして、この緩衝材とベルトは再利用ができるとても便利なものなので、これから飛行機輪行するときのために捨てずにとっておくことにします。
普通の電車輪行でも1つか2つ使って固定した方が良さそうです。
ふと自転車に目をやると、
箱から開けたばかりなのにも関わらず、フレームの上には既に結構な量の白いホコリが・・・。
これはドイツの組み立て工場で、発送を待っている間に被ってしまったホコリたちなのでしょうか。
はるばる遠いところから、ようこそアジアの極東へ、と挨拶します。
ハンドルを取り付ける!
さあ、いよいよ組み立てに入ります。まずはハンドル。
ステムの内側に緩衝材が入っていました。
緩衝材を外すとなにやら部品までポロリと落下。
これはなんでしょう?見慣れないパーツです。
パーツの構造を観察して、一体どんな仕組みで、どんな役割があるのかを考察します。
と考えていたところ、こんなものが目に止まります。
アパレルのタグかな?と思いきやよく読むと「Quick Start Guide」の文字が!
開くと
おお!
おお!
素晴らしい。
ここにもお客の心をギュッと掴むCANYONの気遣いが光ります。
組み立て時に、お客の視線がどの段階で、どこに向けられるかを完全に計算しつくしていますね。
そして完成車に付属しているとにかく分厚い、分厚いだけで内容がすっからかんな例の黒い説明書は誰も読まないということを理解している。
さて、イラストを読み解くと、
どうやらこれはステムの2本のボルトの受け皿となっており、ボルトを締めていくとこのパーツが押し出されていき、コラムが固定される、という仕組みのためのもののようです。
(当然、ヘッドの仕組みさえ理解していれば説明書がなくとも簡単に理解できる内容です。しかし知識のない初心者でもイラストを見れば、とりあえず組み立ててしまえるというのはとても良心的ですね。)
謎の正体が分かったところで、ステムにパーツを戻し
次はヘッドキャップを緩めます!
ステムのヘッドキャップをとりました。
イラスト通り、ボルトは長いプラスチックの筒と3個のゴムワッシャーに通してありました。
う〜んこの筒たちも初めてみるパーツ群ですね・・・。
構造上、このボルトの保護はしなくていいような?なんの役割があるのでしょうか。考えましたがよくわかりませんでした。
(ネタバレ:先に予定している記事でこれらのパーツに大変苦労することになります。知りたい方は乞うご期待。)
さて、何はともあれハンドルの取り付けを終わらせます。
こちらが付属のピンクなグリス。
小さく書いてありますが、カーボンとアルミの両方に使用できるハイブリッドなグリスです。
カーボンロードの基礎として、カーボンの固定には普通のグリスではなくカーボン用のグリスを使います。
カーボン用のグリスは特にザラザラしており、圧着するカーボン同士の摩擦力を上げる働きをします。
結果的にネジを閉めるときに、小さなトルクで固定することができるようになります。
カーボンはトルクをかけすぎると破断のもとになってしまうので、なるべく小さな力で固定してあげたいというわけです。
だからカーボン用グリスが必要なんですね。
さて、グリスをコラムの外側とステムの内側に塗りまして・・・。
合体!
ボルトを戻す前に、ネジ先に通常のグリスを塗ります。
使っているグリスガンは知る人ぞ知る名作、「AZ(エーゼット)」社の「チッコイグリースガン」です。
Amazonでも2000円前後で購入できる大変コスパのいいグリスガンです。
塗り終わったので、完成車付属のトルクレンチでボルトを締めていきます。
あとはステムのボルト2本を1Nで締め、ハンドルを固定して終了です。
(ところが・・・・
実はこの作業、少し間違っていました!
正確に言えば、
作業がひと工程足りていないです!
この日はこの状態で終えてしまいましたが、後日「いくら整備しても解消しない、ヘッドの謎のガタつき」に悩まされるようになってしまいました。
そのときに正しい取り付け方を発見し、無事問題を解決することができました。
その内容についてはまた後日!整備編をお待ちください!
(追記: 2019/05/27)
該当記事を更新いたしました。合わせてお読みください。
さて、お話が逸れましたが次に移っていきます。
フロントホイールを取り付ける!
お次はフロントホイールを取り付けます。
タイヤをはめてスルーアクスルを通すだけなので一瞬で終わります。
の前に、ローターに気になる部分を見つけたので解消しておきます。
「触るなキケン!」な注意書きのシール(ビニール製)が貼ってありました。
このままホイールをはめるとローターが回るごとにペラペラとシールが風になびくことになるので、その前にハサミで切ってしまいます。
後ろのローターにも同様のシールが貼ってあったのでついでに切っておきます。
さあ今度こそホイール装着!
ッガン!
・・・フレームに固定されているシートポストが邪魔でホイールがはまりません。
前回の記事で紹介したこの↓公式動画をもう何度も観て、組み立ての順番くらい覚えていたはずですが・・・。
(こんな初心者丸出しのアホみたいなことをやってますが、私はロードバイクに乗って7年ほどになります。
人は興奮すると周りが全然見えなくなるってやつなんだなと実感いたしました。)
このことから裏を返すと、CANYONが「この順番で組み立ててね!」と言った通りに組み立てていかないとうまくいかないということになります。
これはある意味よくできていますね。
初心者にそれぞれの自由を与えると、勝手な順番で組み立てて予期せぬ間違いや不備が起こるものですから、あらかじめレールを敷いておいて、その上を走ってもらうというのは至極合理的な組み立て方法です。
さて、気を取り直してまず先にシートポストを取り付けます。
シートポストを差し込み、固定する。
さて、私の購入した GRAIL CF SL 7.0 のシートポストは、以前の記事
canyon-grail-no-blog.hatenablog.jp
でも解説したように、いわゆる「二股式」のものではなく、
廉価版として通常の形状のものがアッセンブルされており、パーツ名を「CANYON SP43 VCLS」と書きます。
そしてこのシートポスト、検索しても名前以外の情報が出てきません。
事前情報では、材質がカーボンなのかアルミなのかすらもわかりませんでした。
今回ようやく、それを確かめることができました。
ばっちり、カーボンシートポストでした。
2枚目の写真は少し輝度を上げた加工をしてあり、
シートポストのグレーがかったところがカーボン、サドルのシートレールを固定する上の黒い箇所はアルミ製となっておりました。
私としては初めてのカーボンシートポストです。
(カーボンシートポストには、バイクパッキング用の大型サドルバッグを取り付けるのは控えた方がいいという話もありますが、実際どうなのでしょうか? これに関しては数個先の記事で検証と考察を行う予定です。)
シートポストの近くに、こんな紙がくくりつけてありました。
お〜さすがCANYON、欲しい時に欲しいところで情報を出してくれます。
どうやらこのシートポストは、フレームの後ろ側からネジを締め込んで止めるタイプのもののようです。
この方式はCANYONの他のバイクでも採用されていますね。
このイラストのイモネジ、どこかで見たような・・・。と少し考えて、「そういえばパーツ入れに2つ入ってた!」と思い出しました。(前回の記事参照)
ちなみにイラストのキャップ(キャニオンのイラストロゴが彫ってあります)はもとからフレームの定位置に付いておりました。
これが該当のパーツたち。
もちろんグリスを塗布します。
こういうクセはチャリ整備を趣味にしているとすぐ身につきました。
と言っているそばから、横着してトルクレンチではなく普通のアーレンキーを使ってしまっています。
面倒なので・・・。
(カーボンパーツを固定するときは必ずトルクレンチを使いましょう!)
キャップを戻して終了です。
このキャップ、そんなにがっちり固定できている訳ではないので、1万キロも走ればそのうちなくなってそうです。
これは跳ね上げた泥や雨水の侵入を防いで錆びないようにするためのキャップなので、割と大事な代物です。
もしなくしてしまったら・・・そのときはホームセンターを頼りにDIYです。そうなったら作り方についての記事も書くつもりです。
今度こそフロントホイールを装着します
あとはカンタン。
スルーアクスルを取り出しまして、(元からグリスが塗ってありました)
くるくるっとまわし入れて、固くなったところで止めるだけ。
剛性のお話もまた別にありますが、メンテナンスのやりやすさから考えても、やはりこれからはTA(スルーアクスル)一択の時代がきますね。
ディスクロード万々歳です。
完成に向けて
あとはハンドルのカバーを取り除けば・・・
おぉ〜 R7020のブラケットだ!!
新型105 は上位機種のアルテグラやデュラエース同様、ブラケットの表面に滑り止め加工がされるようになりました。
ツルツルのゴムだった今までの105と比較して、ずっと高級感が出ましたね!
さて、ここまできて床にポロっと落ちたパーツを発見します。
ゴム製のパーツです。
これは見た瞬間にどんな用途のパーツかわかります。あとはどこから落ちたのかを探すだけです。
ありました。ここです。
これはワイヤー(またはオイルライン)がフレーム内装式のロードバイクに必ず付いている、フレーム内異物混入防止用のグロメットですね。
ぐぐっと押し込んで・・・。
これが意外と上手く入っていきません。
ワイヤーの向きを微調節したり、力加減を調節して、
ようやく上手くはまりました!
ハンドルを切っても再度外れる気配を見せないので、これでひと安心です。
ところでここ、オイルラインがフロントフォークに入っていく部分なのですが、ここにはキャップはないのでしょうか?
少なくとも私が以前乗っていたグラベルロードにはゴムキャップが付いていたので、GRAILに付属していないことが疑問でなりません。
もしかしてさっきみたいに外れてどこかに落ちている?と考えて箱の中身を探しましたが、見つけることはできませんでした。
しかし、他の人のGRAILの写真を見たところ、
どうも普通にキャップがあるように見える・・・のだが・・・。
CANYONのディスクロードを所有している方や「こんな形状のパーツがあるはずだよ!」とか「ここに入っているはずだよ!」という情報をお持ちの方がいらっしゃれば是非ともご教授ください・・・。
CANYONの梱包について
さて、これにて組み立ては全行程が完了した訳なのですが、ここで驚きなのが
これまでに出たゴミの量です。
・完成車1台をドイツから空路と陸路を何回も乗り継いで日本に輸送して、
・しかも自転車がダンボールの中で動かないように完璧に固定して、
・さらにフレームとホイールとハンドルとシートポストが擦れないよう間に十分な緩衝材をはめ込んで、
たったこれだけ。
全て完全に潰せば、一般的なスーパーのレジ袋(大)1枚に全部入ってしまう勢いです。
しかも私は一番大きなダンボールとタイヤ固定用の三角ダンボール、それからいくつかの固定具は、捨てずに次回以降の飛行機輪行時に再利用するので、本当のゴミに出すのはさらに減ります。
さすがドイツメーカー!と言わざるを得ません。
ドイツが環境配慮に関して世界的なトップ・オブ・先進国であることは結構有名なお話です。
特に容器の包装に関しては相当厳格なルールが定められており、違反すると痛い罰則が設けられていたりします。
つい最近、2019/1月にもまた新しい容器包装廃棄物法が施行されたばかりで、「プラスチック容器のリサイクル率を現在の36 %→63%を目指す」や、
「金属、ガラス、紙のリサイクルは90%超に」という日本では考えられないほど高水準なリサイクル目標を設定しています。
環境にもやさしい、カスタマーにもやさしい、自転車にもやさしい、
CANYONの梱包技術。これには大変感動いたしました。
ついに完成
お待たせいたしました。
これが我が家の
CANYON - GRAIL CF 7.0
- CARBON COPPER - S size
でございます!
いや〜長かった・・・。開封の記事に2時間、組み立ての記事を書くのに3時間以上もかかってしまいました。
実際の組み立てまでの時間は、写真撮影などにかなり時間をかけながら1時間かかった程度だったので、いかにブログの記事に時間をかけすぎなのかがよくわかります。
やってる内容自体は10分もかからないことですし。色々多くを語りすぎました。
しかし GRAILをある程度詳細に記事にしているブログは今現在ほとんどありませんので、このブログに限っては、どんなに細かく細かく語っても良いと考えてこんな冗長なものにしてしまっております。
おわりに
さて、今回は完成したGRAILの個人的にカッコいい細部の写真を見て終わりにいたしましょう!
R7000のクランク&チェーンリング。
もうここが最高です。
自転車の部位でどこが好き?と聞かれたら間違いなくクランク!と答えるのが私です。
特にSHIMANOの現行のクランクは横にブっといがっちりとした太さで、剛性マシマシ感が出ていてかっこよすぎます。
特にこのR7000 105のクランクはR8000アルテグラや R9100 デュラエースのクランクよりも体感、デザインが個人的に好みです。
デュラは全面テカテカなのでもっとマット感が欲しいですし、アルテもマット部分がちょっと物足りないです。その点105はバランスが最高に整っていて美しさすら感じます。
トップチューブのGRAILのロゴ。
ここの配色は高級感出てますね。copper(銅)色の名前の通り、金属光沢にも似たブラウンのマット塗装が光の反射に映えます。
ダウンチューブのCANYONのロゴ。
CANYONのロゴマークはSPECIALIZEDに次いで好きです。
アルファベットの下側が見切れているデザインなのがセンスの塊です。
最後はホバーバー(グレイル・コックピット)
GRAILがGRAILたる所以です。
事前に、写真では目に焼きつくほどなんども写真を見返したこのハンドルですが、いざ実際の目で見てみると、かっこよさが一際強調されたように感じました。
また実物を握ってみると、思っていたよりも違和感がない。
サドルに乗ってポジションを出し、実際に漕いでいる時と同じ体勢になると、普通のハンドルを握っている時と視覚的情報の差が少ない。
ハンドルに意識を集中すると、「お〜やっぱり変なハンドルの形してるなぁ」と初めて気づく程度で、今までのノーマルハンドルから違和感なく乗り換えられる、といった印象でした。
実走を踏まえたレビューは今度改めて投稿いたします。
とりあえず今回はここまでです。
次回の記事は
「フレームのコーティング塗装 編」を予定しております。
もし以下の記事を読んで、先に読みたい記事がおありでしたらコメントでお伝えくだされば対応いたします。
canyon-grail-no-blog.hatenablog.jp
それではGRAILに興味をもち、ブログを見てくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます!またお会いしましょう!
(おすすめ記事)
(追記: 2019/03/10)
記事のURL, 説明文などを少々修正いたしました。
(追記ここまで)