10月24日に発売開始したCANYONのロードバイク、Ultimateの2020モデルの紹介をしています。とにかくお得、とにかくコスパ最強な2020年モデルを見逃すな!という趣旨の記事です。
- CANYONのオールラウンダーロードバイク Ultimateに2020年モデルが新登場!
- 2020年モデルはモデルチェンジなのか?
- 第4位: SL Disc 7.0 |エントリーグレード?いや、そんなものはCANYONに存在しなかった
- 第3位 WMN SL 8.0 Disc ETAP |「無線電動12速」が憧れの時代は終わった
- 第2位 SLX 8.0 ETAP|これ以上弄るところがない、最高の構成にクールな新色
- 第1位 SLX 9.0 Team Movistar|まさかの限定モデル。意味がわからない激安さに脳が思考を放棄した
- おわりに |2020モデルのアルチはコスパの鬼!来年のモデルチェンジが待ちきれなくても仕方がない
CANYONのオールラウンダーロードバイク Ultimateに2020年モデルが新登場!
本日10月24日にCANYONのロードバイクのオールラウンドモデル、Ultimate(アルティメット)の2020年モデルが公開され、同時に販売が開始されました。
CANYON 公式HP (https://www.canyon.com/ja-jp/)
あ、「そもそもCANYONってメーカー知らないよ!」というかたもいると思いますが、その場合はCANYONイコール「世界トップクラスの実力なのにメチャ安い、通販限定のロードバイクブランド」とだけ覚えてもらえれば結構です。
それだけ押さえていればこの記事を読み進めても問題ないはずです。
(ちなみに私の乗るグラベルロード、GRAILはCANYON製です。)
この記事では、このアルティメット(愛称:アルチ)2020モデルのラインナップを穴のあくほど眺めてから考えた、私の中での「2020アルチのオススメランキング4選」を発表したいと思います。
2020年モデルはモデルチェンジなのか?
本題に入る前に。実は「新発売」と言っても、この2020年の新商品はモデルチェンジされたものではありません。
前提として、ロードバイクというものは、どのメーカーもだいたい3〜5年周期でフルモデルチェンジを行います。その間はカラーバリエーションを増やしたりパーツを変えたり、コンポを新しくしたりして、お客さんになんとか購買意欲を掻き立ててもらうのがフレームブランドの通例です。
今回のUltimate 2020モデルもその例にもれず、2015年のフルモデルチェンジから大きな変更はなし。Discかリムブレーキか?という違いこそありますが、第4世代型アルチと呼ばれるフレーム形状が継続されています。
2015年が前回のモデルチェンジ、つまり、順当にいけば来年2021年にはモデルチェンジが行われます。この2020年モデルは最後の第4世代型ということになります。
と、聞くと「じゃあ来年まで待とうかな。」と一般的な人なら考えルカもしれませんね。
しかし、今年こそがCANYONのメーカーとしての真価を見ることができるとも考えられることにお気づきでしょうか?
そう、モデルチェンジ前年なのですから、売れ行きが冷え込むであろうことはキャニオンも理解しています。ですので、きっと今年はカラーにも力を入れてきますし、コンポーネントのコスパも最高になる可能性がグンと上がります。
本題に入る前に・・・
<CANYONのモデル名の読み方> を知ってランキングをもっとわかりやすく
(出典: https://www.canyon.com/ja-jp/road-bikes/race-bikes/ultimate/)
このランキングをより理解しやすくするために、 まずはCANYONのロードバイクの命名法則を知っておきましょう。
・SLX か SL はフレームのカーボングレードを表す
- SLXがプロ用グレード。
- SLは10万円ほど安い代わりに、フレームが200gほど重くなります。
・「9.0〜7.0」の数字はコンポーネントのグレードを表す
- 9.0は最高級コンポ :Dura-Ace (SHIMANO)または RED (SRAM)
- 8.0はセカンドグレード : Ultegra または FORCE
- 7.0はミドルグレード:105 がアッセンブルされています。
あとは電動コンポであれば名前にそれぞれDi2 または ETAPが入ります。
以上がCANYONのロードバイクの基本的な命名ルールです。これで準備は万端。
それではいよいよランキングを見ていきましょう!
第4位: SL Disc 7.0 |エントリーグレード?いや、そんなものはCANYONに存在しなかった
(出典: https://www.canyon.com/ja-jp/road-bikes/race-bikes/ultimate/ultimate-cf-sl-disc-7.0/2156.html)
オススメランキング4位はSL 7.0。2020モデル(Disc)で最も安いアルティメットです。お値段は22万9000円。
コンポーネントはシマノ105の油圧ディスク、R7020です。重量は7.9kg。エントリーモデルの重さではありません。
大まかなスペックはキャノンデール、スペシャライズド、ジャイアントなどのメーカーでいうところの26〜28万円クラスです。つまりレースの即戦力として使えます。
ところが、このアルチ7.0のさらに恐ろしいところはステム一体型のエアロハンドル「CANYON H36」が付属しているところにあります。単体で購入すると4万4800円です。
競合他社はせいぜい5,000円のアルミハンドルな世界です。コスパ面で圧倒的なぶっちぎりを見せます。
「はじめてのカーボンロードにオススメ!」みたいな値段をしておきながら、実際はレースまでこなせるハイスペックロード。
ホイールをグレードアップするなど、カスタムの素体としても◎。
Ultimate 7.0のリムブレーキ版は「買い」ではない?
なお、105モデルにはさらに安価なリムブレーキ版があります。お値段は17万9000円です。
値段だけ見るとリム版の方が安価ではありますが、こちらは一体型カーボンハンドルではなく通常のステム+アルミハンドルです。
つまり全体的なコスパで考えると結局ディスク版の方がお得です。
(それに2020年にもなってリムブレーキを買う意味が見当たらない、というのが私個人の感想です。もはやホイールメーカーですらリムモデルの開発を打ち切っている時代なので・・・。)
第3位 WMN SL 8.0 Disc ETAP |「無線電動12速」が憧れの時代は終わった
ここから私の個人的趣向が強くなるので、お値段はけっこう上がります。7.58kgで44万9000円です。
4位と3位の間には、最も人気があるアルテグラやアルテグラDi2モデルが30万円そこそこでいくつかラインナップされています。コスパ的にもすごく良いです。
でも私はあえてこのWMN SL 8.0 ETAPを全力で推したい。なんたってコスパがおかしいです。
というより、
へ・・・? この値段設定、どうみても間違えてるでしょ!
というのがこのモデルを見た瞬間の私の第一声です。価格が崩壊しています。
SRAM AXS 無線・12速という夢の世界へ
まずこのモデルはSRAMのセカンドグレードであるFORCE eTap AXS (フォース イータップ アクセス)がアッセンブルされています。2019年の今年発売したばかりの出来立てホヤホヤなコンポーネントです。
このアメリカ・シカゴ発の新鋭SRAMが送るFORCE AXSの凄さは「無線・電動コンポ」という一言に集約されます。
我らがメイド・イン・ジャパンのSHIMANOは確かに世界最優です。プロチームの使用率が90%超えという数字からも圧倒的な力が伺えます。しかし一方で、最新技術を取り入れていくアグレッシブな姿勢はSRAMに軍配が上がります。
顕著なところでは、SHIMANOの電動コンポは未だに有線接続です。あれだけ高価なDi2でも、フレーム内部はエレクトリックケーブルでグチャグチャです。
ところがこのSRAMの電動コンポは無線です。AntでもBluetoothでもない独自開発の電波を飛ばして変速をかけます。ケーブルが一切必要ありません。
加えてSRAMはセカンドグレードですら12速対応です。一方でシマノはトップグレードのデュラエースですら未だ 11速。シマノがモデルチェンジ直前とは言え、SRAMの圧倒的先行感は拭えません。
しかし「12速・無線電動コンポ」は高嶺の花です。このFORCEは同グレード帯のSHIMANO Ultegra Di2よりはるかに高額なコンポーネントになります。
アルテグラ R8070が約23万円の一方で、フォースアクセスHRDは約32万円もします。
しかもシマノは通販で買えばもっと安い。ちょっと探せば15万円台から手に入れることが可能です。しかしSRAMは悪名高い代理店インターマックスが通販を許しません。なので実質的な末端価格はほとんど2倍になります。
ホイールはレイノルズ。とってもお得。
さて、コンポ以外にも目を向けるとカッチョいいホイールに気づきます。
レイノルズのAR41 DBというミドルディープなカーボンホイールです。これ単体で13万円です。
記憶力の良い人ならもうここで違和感に気がつくはずです。
電動コンポに32万、ホイールに13万、ハンドルに4万・・・あれ?もう完成車価格44万をとっくに超えてない?
そうなのです。果たしてフレームの代金はどこに消えたのでしょうか。ちなみにアルチはフレーム単体で買うと20万円です。しかもカーボンシートポストも2万8000円の純正品が使われています。
そう、つまりこの構成のロードバイクは本来60〜70万ほど出さないと買えないのです。それが44万円。
「購入してから中古でバラ売りすればプラスになるかも」なんてことがあながち嘘ではないトンデモ完成車になっています。
Women モデルであることのメリット|日本人サイクリストにぴったりなワケ
ところで、これは「WMN」とあるように女性モデルです。実は女性モデルだということが一般的サイクリストにとっては大きくプラスに働きます。
まずアルチの女性モデルは専用設計のためヘッドが短く、そのおかげで「通常モデルより3%エアロ」になっています。しかも同サイズでも数十グラム軽量です。
そしてフレームサイズが3XSから用意されています。一般的に、CANYONは大柄な欧米男性に合わせたサイズ展開ですが、WMNモデルなら小柄なアジアン男性にも優しいです。
フレームの剛性も適度に落としてあるので、レースに出ないゆるふわサイクリストにも嬉しい乗り心地です。
女性用だからといって困るようなガタイの良いマッチョマンは日本人にはあまりいません。
第2位 SLX 8.0 ETAP|これ以上弄るところがない、最高の構成にクールな新色
(出典:https://www.canyon.com/ja-jp/road-bikes/race-bikes/ultimate/ultimate-cf-slx-disc-8.0-etap/2411.html)
ここで私の大本命・SLX 8.0 ETAPが2位にランクインです。7.44kgで61万9000円。キャニオン的にはセカンドグレード的な扱いです。上には80万円のREDやDura-Ace完成車が並びます。
もちろん、一般的なサイクリストなら3位に紹介したSLのほうがゴールで全く問題ありません。
しかし、こちらのSLXモデルこそ、私のようなチャリマニアにとっては輪をかけて垂涎モノの逸品です。
SRAM QUARQのパワーメーターが元から付属する
SRAMは特殊なdubという独自規格のBBとクランクなので、FORCEのパワーメーターはスパイダー式と呼ばれるタイプを使うことになります。(REDはチェーンリング一体式のみ)
そしてこのモデルではSRAM傘下のクオーク社純正のスパイダーパワーメーターが付属します。普通に買うと6万円します。
そもそも国内では悪のインタマのせいで入手難易度が非常に高いです。それが元からついてくるなんて・・・大興奮です。
ホイール、ハンドル、シートポスト・・・どれも一級品
ホイールはDT SWISSのARC 1400 DICUT (アーク 1400 ダイカット)です。48mmハイトで26万円の憧れホイールです。ハイエンドではありませんが、1577gという重量を見ればもう何も言うことはありません。ホイールをアップグレードする必要はないでしょう。(ハイエンドの1100 DICUTは32万円で1490g)
さらに、ハンドルやシートポストもSLモデルよりもさらに軽量・高級品をアッセンブルしています。流石はプロ用のSLXグレードです。
2020年の新色は「CANYONらしくない」エレガントなメタリックブルー
先に発売されたエンデュランスロードのEndurace(2020モデル)にも採用されていた、まるで宝石のようなグロス・メタリックカラーがアルティメットにも採用されました。
エンデュは赤でしたが、アルチはブルーのようです。
エンデュレースの新色、Red Tinted
(出典:https://www.canyon.com/ja-jp/road-bikes/endurance-bikes/endurace/)
CANYONといえば無骨なイメージで、ブラックやレッド、シルバーといった地味なカラーがほとんどでした。ですがモデルチェンジの迫った今年はかなり思い切った色にしてきましたね!
個人的には超アリです。CANYONとは思えないほどお洒落な塗装だと思います。
はやく自然光の下で実物の発色を見てみたい!
とまあ、私的には一番ビビッときたのがこのグレードでした。もともとアップグレードがほぼ不要な構成になっているので、最終的に一番安く済むと思います。
第1位 SLX 9.0 Team Movistar|まさかの限定モデル。意味がわからない激安さに脳が思考を放棄した
出ました、2020年アルチでぶっ飛びすぎていて意味不明な一台、SLX モビスターモデルです。7.00kgで85万4000円。
この完成車、あらかじめ言っておきますが「意味不明」です。
この記事では、これまで私は全てのモデルを安い安いと褒め続けてきました。
しかし実は正直なところ4位〜2位までは、CANYON乗りとしては「あくまで予想の範囲内」な安さでした。
FORCE AXS完成車も50万円くらいで出るだろうとは思っていたので、44万円だと知って「おお〜」と感じた程度です。
しかしこのモデルだけは明らかにおかしいです。それを今からご紹介していきます。
コンポーネントがCampagnolo Super Record EPS 12s!?
日本のシマノ、アメリカのSRAMにつづく御三家、イタリアのCampagnolo(カンパニョーロ)です。変速性能はシマノに及ばず、機能面ではSRAMに及ばない、骨董ブランド的な扱いを受けることもありますが、カンパの全てはその美しさにあることは誰もが認めるところです。
そしてこの完成車についてくるのはカンパの最高級コンポ、Super Record EPS 12s(スーパーレコード イーピーエス)です。
たかが自転車のパーツ・・・ではなく、「これはもはや芸術品だ」と語る人がいるほどの逸品です。確かにクランクの写真一つを見ても、その美麗なカーボン模様に圧倒されます。
そして2019年新発売のNEWスーパーレコードEPS 12sは電動コンポ。しかもシマノをしのぐ12速です。
なんとグループセットの国内定価は70万円(税込)です。意味がわかりません。
海外通販でも60万円は下りません。ちなみに11速時代のスーパーレコードEPSと比べて1.5倍のお値段になりました。
この記事の2位までの完成車の値段よりもこのコンポ1個の方が高額です。なんだそれは。
ホイールが・・・BORA ONE 50 DB!?
モビスターモデルなので、当然ホイールはカンパニョーロです。いや、当然なのか?
一応、最高級モデルのBORA ULTRAではありませんが、もはやハイエンドと言って過言ではないBORA ONE50がアッセンブルされているだけで驚きです。(ULTRAにはディスクモデルが無いので、BORA WTOと並んで実質の最上級グレードです。)
確かに、カンパのホイールなので例に漏れずセールが豊富です。国内ならだいたい25万円ほどで買えるイメージです。海外通販なら15万円代だったりもします。
アップグレード先として、みんなだいすきボラワン。とはいえ、実は国内定価は31万円(税込)なのです。
あの〜・・・コンポとホイールの定価だけで100万円相当って、コレ85万円の完成車ですよね?
もちろん、ハンドルやシートポストもハイエンド、フレームもSLXなので単品で28万円です。
つまり、このモデルは150万円相当の超超超絶ハイエンドなフラグシップバイクです。それがなぜか半額の完成車として売っていることになります。差額だけでもう一台ハイエンドのアルチが購入できます。もう意味がわかりません。
おわりに |2020モデルのアルチはコスパの鬼!来年のモデルチェンジが待ちきれなくても仕方がない
私自身、今日の夕方までこんな記事を書くことになるとは思ってもいませんでした。
それだけ今年のアルティメットの構成に驚きましたね!
実は私はアルチではなく、今年モデルチェンジ予定のエアロロード CANYON AEROADを購入しようと前々から思っており、新情報を待っていたのですが・・・。
今日のアルチの新情報をみて心が揺れ動きそうになりました。それだけ本当に魅力的です。
CANYONのロードバイクが気になっている皆さん、今はアルティメットが熱いですよ!
それでは記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます。またお会いしましょう!