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究極のドライ系チェーンオイル「Blue-no(ブルーノ)」をレビューする!

ロードバイク オイル ドライ おすすめ

サスペンド系と呼ばれる「究極の」超高級チェーンオイルことVipro'sのBlue-no(ブルーノ)のインプレとレビューの記事です。

また、ウェット系やドライ系など一般的なチェーンオイルの分類についてもまとめています。

はじめに 

皆さまおはようございます。WithGrailへようこそ。

今回は、ロードバイクのチェーンオイルに関しての記事となっております。

新しく購入した商品のインプレに加え、様々な種類をもつオイルのそれぞれの特徴もまとめています。現在お使いのチェーンオイルに対して特にこだわりを持っていないかたも、ぜひご覧になっていって下さい。

 

チェーンオイルと言ったらコレ。「ウェットタイプ」

SHIMANO PFTE LUB

最もポピュラーなチェーンオイルといえば、この「ウェットタイプ」と呼ばれるものです。

代表的な商品として、上の写真にあるSHIMANOPTFE LUBEが挙げられます。

ウェットとは「wet」、すなわち「濡れている」ことを表す英語ですが、その意味の通りに比較的ドロドロした(粘性を持った)質感をしています。

 

ウェットタイプのメリット/デメリット

ウェットタイプのメリットは、とにかく長持ちということです。

一回の注油で数百kmは楽々、ものによっては1000km以上もオイルの効力が続く製品もあります。

例えば毎日の通勤程度であれば、一ヶ月に一度の注油で十分というかなり大雑把に使える感覚です。

しかも、ある程度の耐水性があるので多少の雨なら問題ありません。

 

逆にデメリットは、泥を吸着してすぐに汚れてしまうということが挙げられます。

ウェットタイプオイル汚れ

もともとはキラキラ反射するシルバー色だったチェーンも、たった1回走っただけでこのように黒ずんだドロドロチェーンになってしまいます。

チェーン表面に汚れが蓄積していくことでチェーンとギアの噛み合わせが悪くなり駆動性能もすぐに落ちやすいという印象です。

 

とは言え、注油の頻度が少なくて済むというのはとても魅力的で、私も普段使い用のミニベロなどには愛用しているオイルではあります。

ウェットルブ

しかし泥が吸着しやすく、「チャリチャリ・・・」という砂と金属が擦れる音がどうしても気になるので、基本的にロードバイクには使っておりません。

いくら耐久性が高くとも汚れによって走りが重くなってしまっては意味がないので、ロードバイクで使う場合は距離に関わらず、やはり毎回の洗浄と注油が必要になってくると思います。

 

ちなみに、ウェットタイプのドロドロ感をさらに強化した「雨/雪用のスーパーウェットタイプ」なる商品も存在します。

雪上自転車

私も以前、雪上でツーリングをした際に使用しました。

この極地用ルブは、チェーンオイルというよりもアラビックヤマトの水のりに見間違うほどの粘度でした。

GRAILと雪

こうした雪グラベル的な使い方をする人なら粘度高めのウェットルブがおすすめです。

 

汚れが気になる人へ。「ドライタイプ」

finish line ドライルブ

一方で、ウェットタイプと真逆の性質をもつオイルが、こちらの「ドライタイプ」と呼ばれる製品群です。

代表選手はこのFINISH LINEDRY LUBRICANTでしょう。赤いボトルが目印の、大ベストセラー商品です。

私も過去に3年ほど使っており、一番お世話になったオイルです。

ドライタイプのメリット/デメリット

ドライタイプはウェットとは対照的に、「汚れにくいけれど、耐久性がない」という特徴を持っています。

だいたい200kmも走ればオイルが落ちてきて、ペダルに力を加えるとチェーンが滑る感覚が出始めます。

雨が降ると一発で洗い流されます。その場合、チェーンとチェーンリングがギシギシ鳴り出すので、とても走れたものではありません。

 

その代わり、泥や砂を巻き込みにくいサラサラした粘度のため、汚れによる駆動力低下を抑えることができます。

綺麗なチェーン

毎回の注油が苦でなく、比較的メンテナンスが好きなユーザーにとっては、ドライタイプの方が適していると思います。

 

ウェットとドライの中間、 「ハーフウェット」

ちなみに、ドライタイプとウェットタイプのいいとこ取りをした「ハーフウェットタイプ」なるチェーンオイルが存在します。

ハーフウェット Wako's

こちらはWAKO'S CHAIN LUBです。

金属缶に入っており、金属製のストローから噴射するスプレータイプです。

見た目からして今までのオイルと違うように、お値段もちょっと高めです。

180mlで1500円〜ほどなので、100ml 700円程度の普通のオイルと比べて1.5倍くらいでしょうか。

このワコーズのチェーンオイルは比較的汚れにくく、耐久性も300kmほどあります。

「ウェットかドライ、自分にどちらが合っているか分からない!」というかたの最初の1本におすすめです。

 

最高にドライを欲する人のための「ワックスタイプ」

前述のドライタイプといえど、やはり油である以上ある程度の砂は付着します。これは避けられません。

もっとドライで、汚れないオイルが欲しい!」という人には、ワックスタイプのチェーンオイルがおすすめです。

あさひワックス

weldtiteDRY WAXです。全国のサイクルベースあさひで取り扱いしています。

 

今までのチェーンオイルとは、明らかに色から違います。水色です。とてもチェーンオイルには見えません。

DRY WAX塗布

実際に中身も水色の液体です。

不溶物が多く含まれているのか、そこまでサラサラ感は強くありません。

DRY WAX 水色のチェーンオイル

ドライタイプのオイルと比べて「少し汚れがつきにくく、耐久性はさらにダウン」な製品です。

ワックスといえど、やはり汚れは付きます。オイルと比べても「多少綺麗かな?」くらいの感覚です。

 

ただ、耐久性は結構ガッツリ落ちます。体感では、ベストコンディションは100km保てていない気がします。チェーンの汚れ具合にも依りますが、だいたい50kmくらいがMAXであとはどんどん漕ぎ心地が悪くなっていくのを感じます。

もちろん300km程度なら異音もなく普通に走れるのですが、注油した直後の「チェーンにかけた力がダイレクトに推進力に進む感覚」が、100km経過時には薄れているように感じます。

それでも、やはり少しでも汚れにくい潤滑油が私の好みなので、ここ最近はこのドライワックスをメインに使っています。

 

"究極"のドライオイル、Vipro's  Blue-no(ブルーノ)

そして今回、私が行き着いた次なるチェーンオイルは、ヴィプロス社のブルーノという商品です。

ブルーノ箱

実はコレ、かなりの高級品です。

なんと52ml2300円。今までのオイルと比べておおよそ5倍近いお値段です。

ブルーノ全体像

特徴は何と言っても青い!透き通っている!綺麗!な色です。

さて、製品の説明書きを読んでみます。

ブルーノ説明書

目を引くのは「サスペンド系」という聞きなれない単語です。

簡単に説明すると、コレはヴィプロスが販売している「muon(ムオン)」と「keiten(ケイテン)」という2つの異なるタイプのチェーンオイルのいいとこ取りをした製品です。

ムオンは「無音」、つまりチェーンノイズを低減する耐久性に特化した製品で、

ケイテンは「軽転」、つまり汚れの付きにくい防塵性に特化した製品です。
 
そしてこの2つの性質を融合させたBlue-noは、「サスペンド系」という「チェーンの内部によく浸透して飛散しにくく、汚れのつきにくいドライ系万能オイル」と呼べるでしょう。
 

サスペンド系 チェーンオイル Blue-no レビュー

 Vipro's のチェーンオイルには小分け用の小瓶が付属します。

vipros小瓶

ブルーノ本体の瓶は結構硬いプラスチックでできておりオイルが出しづらいので、基本的に小瓶に分注してから使用することになると思います。

分注の様子

まずは少しだけ分注してみました。

小瓶のほうが本体よりもより細い注ぎ口となっているので、やはり小瓶をメインに使うのが吉でしょう。

ブルーノ52ml瓶

それでは、早速GRAILに注油していきます。

(チェーンの清掃を少しサボっていたので、すでに多少汚れが付いています)

blue-no注油

チェーンの1コマ1コマずつ丁寧に滴下していきます・・・。

 

!?

と、注油し始めていきなり驚かされました。

超サラサラ、というよりもはやサラサラすぎてすぐにコマの内側に染み込んで消えるため、本当に注油できているのかすらわからないレベルです。

サラサラ油分

一度に2滴以上出してしまうと、ポタッとチェーンステーに落ちていってしまいました。

注油していて、あまりに粘度がないので油ではなくただの水を滴下しているように錯覚するほどです。

滴下後チェーン

滴下した後のチェーンでも、一目見ただけでは注油されているのかどうかがわかりません。

GRAILチェーン

小瓶に分注したほうのオイルを1コマづつ滴下し、使い切りました。

とりあえずこの状態で少し走ってみて、簡単なインプレッションをまとめてみます。

 

Blue-no でヒルクライム&100km走ってみた結果

結論から言って、間違いなく今まで使ってきたどのチェーンオイルよりも優れているという評価になりました。

 

まず、耐久性

今までのワックスタイプと比べ、注油後のベストコンディションでいられる走行距離が明らかに長くなりました

100km走ってもずっとベストコンディションを維持しており、300kmくらいは余裕がありそうな雰囲気です。

また、機材ダメージの高いヒルクライムチェーンにガシガシ負荷をかけて走ったのにも関わらずオイル皮膜がバッチリ残っていることを考えると、耐久面では明らかにワックスオイルよりも上でしょう。

スプロケとチェーン

次に防塵性です。

もちろん砂汚れは付着していましたが、ほとんど綺麗なままでキープできました。

元々汚れていた箇所もあったので写真だけではわかりづらいと思いますが、雑巾でサッと一拭きすればそれだけで元のキラキラチェーンに戻れるような汚れの程度です。

100km汚れ

このブルーノ、本当に買ってよかったです。

これでしばらくチェーンオイルのグレードアップ先を探さなくて済みそうです。

 

おわりに

GRAIL走行後

色々とこだわりを持ってしまったばかりに、色々なチェーンオイルを渡り歩く羽目になってしまった私ですが、ようやく「これだ!」と思える製品に出会えました。

あまり大量にストックできる値段でもないので、今回購入したぶんを使い切った後にまた買い足そうと思います。

様々なチェーンオイル

ところで、Vipro'sの新製品としてRossa-no(ロッサーノ)というBlue-noの親戚が発売されました。

この赤いチェーンオイルは、Blue-noの耐久性を下げ防塵性をさらに向上させた製品でどちらかというとレース向きのオイルです。

私はこれ以上耐久性を低くしたくないため、今後手を出すかどうかは微妙なところです。

CANYONサコッシュ

(余談ですが、CANYONの完成車に特典としてついてくるサコッシュを今回初めて使ってみました。)

思った以上にサイズが大きく、タダのおまけの割に意外と使えるものだと思いました。

ちなみに上の写真ではMac Book Air (13インチ)がそのまますっぽりと入っています。

さて、今回はチェーンオイルについて色々まとめてみました。

今までチェーンオイルに無頓着だったかたでも、これから色々な製品にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

以上、WithGrailでした。記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、

良い一日を。またお会いしましょう!

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