ABUS(アブス)のエアロヘルメット、GameChanger(ゲームチェンジャー)のインプレと、ドイツ海外通販サイトbike-componentsでの購入方法についてまとめています。
- はじめに
- そもそもエアロヘルメットとは何か?
- ABUSは鍵だけのメーカーに非ず
- GameChangerってどんなエアロヘルメット?重量は?
- 珍しいもの沢山!? ドイツの海外通販 bike-componentsで購入してみた
- ABUS GameChanger インプレッション
- ゲームチェンジャー・レビュー
- さいごに
はじめに
皆さまおはようございます。
今回は最近何かと目にするエアロヘルメットのお話です。
また、bike-componentsというあまり聞いたことのない海外通販サイトを利用したので、サイトの使用感についてもレビューしていきます。
そもそもエアロヘルメットとは何か?
エアロヘルメットとは、簡単に言ってしまえば「空気抵抗の削減に特化 (= エアロダイナミクス的デザイン)」したロードレース用のヘルメットです。
TT(タイムトライアル)や競輪の流線型ヘルメットから派生してきました。
日本で最もポピュラーなOGKのAERO-R1はこのようにバイザーがついており、エアロ効果に貢献しています。
(このバイザーはメガネをかけたままでもサングラス的に使えるので、非コンタクトレンズユーザーにも高い人気があります。)
また、近年はツールドフランスのようなプロのロードレースでも、エアロヘルメットは当たり前の存在になってきました。
🇳🇱#ZLMTour
— Team Jumbo-Visma cycling (@JumboVismaRoad) June 21, 2019
How we would describe today?
🥇🥉🏆🎉🥂🎂#samenwinnen pic.twitter.com/b0iwnzwVgl
開閉式エアロスライダーが特徴的な、LAZERのBullet 2.0。正面から見ると、排気穴の少なさが際立ちます。
ABUSは鍵だけのメーカーに非ず
さて、各社が新商品の開発にしのぎを削っているエアロヘルメット業界ですが、私がその中から今回選んだのは・・・。
(画像の著作権の関係上、Amazonの埋め込みリンクによる写真でご容赦ください)
KASKではなく、
METでもなく、
ABUS(アブス)のGameChanger(ゲームチェンジャー)です!
ABUSと言えば、ロード乗りなら誰もが知っているセキュリティーロックのブランドです。
チェーンのロックは大体のショップに売っていますね。
チェーンロックやU字ロック、最近人気のブレードロックが主力商品で、「ABUSのヘルメット」と聞いてピンとくる方は少ないかもしれません。
しかし、ロードレースに興味がある人間には割とよく知られており、先月のツールドフランス2019でも、チーム総合順位1位に輝いたMovistar(モビスター)の選手が着用していたのがまさにABUSのヘルメットです。
🇫🇷 #TDF2019: Lo de @Andrey_Amador... 🎩👏🇨🇷
— Movistar Team (@Movistar_Team) July 20, 2019
30" para Gesbert (PCB) sobre un grupo cada vez más reducido de favoritos a 12 km de la cima. Completado el trabajo de Verona, aguantan Andrey y Marc junto a Bala, Mikel y Nairo. pic.twitter.com/DHDoPWYcvS
UCIワールドチームが使用しているということから、紛れもなく世界トップレベルのヘルメットメーカーでもあると考えて良いでしょう。
GameChangerってどんなエアロヘルメット?重量は?
ABUSのヘルメットは4種類あり、1つはViantorというエントリーモデルです。
お値段は1万4000円ほど。エントリーにしてはなかなか値が張りますね。
そして残りの3種は全てハイエンドモデルとなりお値段も3万円程度、それぞれ違った特長をもつこれらのヘルメットを、チーム・モビスターは状況に応じて使い分けています。
1つ目は放熱性特化モデルのAventor(アヴェンター)。
#TDF2018 Algo más de 30" ha abierto ya @alejanvalverde sobre el grupo de favoritos, donde vuelve a tirar SKY. @solermarc93 marcha todavía intercalado entre la cabeza de carrera y el murciano. pic.twitter.com/iwGUaCfIvN
— Movistar Team (@Movistar_Team) July 18, 2018
空気の通り道を確保するため、たくさんのベンチレーションが設けられています。
2つ目は、軽量特化・エアロも良好のオールラウンドモデル、AirBreaker(エアーブレイカー)です。
2 etapa Adriatica Ionica Race 🇮🇹 día largo, intenso, caluroso y mucho desnivel más calambres a tope por el calor que me ha pasado factura 🥵 #wian88 pic.twitter.com/ZtxQKn8qbd
— Winner Anacona (@wian88) July 26, 2019
そして3つ目は今回購入したGameChanger。もちろんエアロ特化モデルです。
🌈🧡🗣️ Here's what @alejanvalverde had to say at Arreau's @RouteOccitanie stage three start this morning - let's hope for a good day for both the #BalaArcoíris and the rest of the Movistar Team today 🤞 #RodamosJuntos #RDO2019 (📸 Aubin Lipke) pic.twitter.com/Z4TIBCH4l1
— Movistar Team (@Movistar_Team) June 22, 2019
他のモデルと比べて明らかに通風口の数の少なさが見て取れると思います。
重量は270gと、ハイエンドヘルメットとしては重量級ですが、各社300gオーバーの製品が多いエアロヘルメットとして考えると十分な軽さだと言えます。
この程度なら「重さで首が疲れる」といったようなことは考えなくても良さそうで、サイクリングにも問題なく使えるレベルだと思います。
珍しいもの沢山!? ドイツの海外通販 bike-componentsで購入してみた
今回、このゲームチェンジャーを購入するのに使ったのはbike-coimponents (バイクコンポーネンツ)という、知名度の低いドイツの海外通販サイトです。
この通販サイトは、WiggleやCRC、サイクリングエクスプレスといった有名海外通販サイトに売っていないような、マイナーな商品が沢山あります。
実際、Wiggle,CRC,サイエクではABUSのヘルメットの取り扱いをしていませんでしたが、このバイクコンポーネンツではいくつも在庫がありました。
このバイクコンポーネンツでの購入方法は他の海外通販とほとんど同じなため、一度でも海外通販を使ったことがあるかたなら問題なく利用できるでしょう。
上の画像をみてわかるように、Gamechangerの価格は122ユーロほどで、購入時のレート換算で約1万4000円でした。
国内定価が税込30,024円、Amazon最安値が2万9500円(19/08/11現在)と考えると、半額以下となる圧倒的な安さです。
注意:途中からドイツ語が登場するよ
しかしこのBike-componentsを使うにあたり、初見では少し戸惑うかもしれない点があります。
それはメールが途中からドイツ語で送られてくることです。
サイトの言語はドイツ語→英語に変更することができるのですが、メールはドイツ語オンリーです。
"Wir bestätigen den Eingang Deines Auftrags bei bike-components." なんて言われてもチンプンカンプンです。大学で取得したドイツ語の単位なんてものは役に立ちませんでした。
ですが、どうせ「発送しましたよ〜」や「DHL(配送業者)のトラッキング・ナンバーはこれですよ〜」といったありふれた内容のメールしか基本的には送られてこないので、適当に文頭の数行をGoogle翻訳にかけてあげれば大体の内容は掴めます。これで全く問題ないです。
ABUS GameChanger インプレッション
さていよいよ本題、ゲームチェンジャーのインプレをしていきましょう。
bike-componentsから発送・到着
注文が19/08/01の夜、到着が19/08/09の朝だったので、かかった時間はおおよそ7日間でした。海外通販としては優秀な部類に入りますね。
梱包はいたってシンプル。模造紙がダンボールの隙間に数枚挟み込まれているだけでした。流石は環境先進国・ドイツです。無駄なゴミは出さないという強い意志を感じます。
(思えばGRAILの緩衝材も最適かつ最小限でした。)
ゲームチェンジャー開封
箱上部には「GC」のロゴが。GameChangerの頭文字でしょう。
側面はイラストが。「Made in italty」とありますが、ABUSはドイツの企業で、ロックもドイツ設計の高いセキュリティーを売りにしています。
しかしヘルメットのデザインはイタリアで行われており、ドイツの安全性とイタリアのデザイン性が融合した、いいとこどりなヘルメットだと言えるでしょう。
箱を引き出しのように引っ張ると、ようやくヘルメットとご対面です。
カラーはマットブラック/チェレステグリーン。2019年からの新色です。
チェレステを選んだ理由は私がチェレステカラー好きだからではなく、単純に普段よく着ているジャージのカラー(青系)に合わせるためです。
実際にみてみると、空気穴の少なさと流線型のフォルムに圧倒されます。
正面からみると、空気の通りが確保された大きめのベンチレーションがいくつもあるとわかります。
個人的には横からの視点が一番カッコいいです。
ハニカム構造のベンチレーションと、幅広で大胆な差し色のライン、GAMECHANGERのロゴがマットブラック上に映えます。
後ろはかなり特徴的なデザインです。デロリアンの次元転移装置みたい。
そしてゲームチェンジャーらしさが爆発するヘルメット上部です。かつてこんなにも製品名をアピールしたヘルメットがあっただろうか。
なお、ヘルメットカバーが付属しており、運搬中の傷を防ぐことができます。
すっぽり入ります。
ゲームチェンジャー・レビュー
最後に簡単なレビューをしておしまいです。
まずは重量の実測値から。
メーカー公表値が270 g、実測値が266 gなのでピッタリでしょう。優秀ですね。
驚きなのがこの顎ベルトです。なんとここまでエアロにこだわり、2本のベルトの裁縫点を段差のない平坦な縫製にしています。
比較として、SpecializedのCHAMONIXのベルトにはアジャスターのようなプラスチックのパーツが付いています。
そんなところをエアロにして意味あるの?と言われそうですが、こだわりの強さを感じられるため満足・合格です。
外形のエアロっぽさもかなり尖ったこだわりを感じます。
KASKのProtoneと並べてみても、よりエアロ・よりシンプルな流線型なのにデザイン性を損なわない、美しい表面になっていることがわかります。
他のヘルメットとの大きな違いとして、ヘルメット内部のクッションがかなり少ないという点が挙げられます。
ほとんどパッドがありません。前方・額の上には少しクッションがありますが、天頂部などは基本的に発泡スチロールと直接触れることになります。
その代わり、前方から後方に向けて「空気の通り道」の溝が何本も掘られているため、川を流れる水のようにこの溝を通って空気が抜けていくように設計されています。
この仕組みのおかげで、エアロヘルメット特有の風通りの悪さを解消しています。
あとはこの内部のアジャスターを調節することで、後頭部のプラスチックパーツを上下に大きく動かすことができます。
こちらが最小セッティング時の後頭部アジャスター。普通のヘルメット的です。
次に最大セットにすると、アジャスターが首側に大きく下がります。
この調節機構によって、頭部の球形に沿って頭を固定できます。
また隠れたメリットとして、最大まで下げて生まれた隙間からポニーテールを出すことができます。(とABUSはアピールしています。)
長髪の女性に優しい(?)ヘルメットと言えなくもないのでしょうか・・・。
GameChangerには前後2つのサングラスホルダーがあり、好きな方にアイウェアを引っ掛けることができる作りになっています。
前に取り付けても、後ろに取り付けてもOK。
アイウェアが落下しないように、耳のツルが引っかかる窪みをきっちり作ってくれているので、基本的にどんなサングラスでも大丈夫でしょう。
実走してみて・装着感
やはりエアロヘルメットということで風通しが悪く、30℃を超える日のヒルクライムでは暑さを感じます。
しかし、それも思っていたほど蒸し蒸しせず、下りで一気に汗が冷やされたり、平地で高速域で走り続けるぶんには我慢できないといったほどではありませんでした。
実は今回、私はデザイン性(街乗りでも違和感のないつるっとしたフォルム)に惹かれて購入したので、肝心のエアロ性能はどうでもいいと言えばどうでもよかったです。
実際にエアロ効果はどうだったかと言うと、大方の予想通り「そんなに効果を感じはしないけれど、髪がバタつかないし、風を切る音が変わったのでエアロっぽい気はする」といった曖昧なフィーリングでした。
そして最後に大事なことですが、
サイズ選択、間違えました。
「ここまで書いてきてそれかよ!」と突っ込まれそうですが、これは結構凹みました。
普段のProtoneに合わせて買ったMサイズだと左右の頭頂部がぶつかります。と言うか普通に痛いです。おかげで頭頂部には多少の隙間が生まれてしまいました。
アジアン特有の問題ではありますが、アジアンキラーで有名なGIRO(最近待望のアジアンフィットが出ましたが)ほど左右が狭くは無いとの前情報だったのでいけるだろうと思っていました。
まさかLサイズが適正だったとは・・・。といった感じです。
(パッドは元から無いため、パッドを外して隙間を開けるという荒技すら使えない)
別に、絶対に被れないということもない許容ラインではあるのですが、どうしても悔しいので、本日Lサイズを再度注文してしまいました。
さいごに
トップレベルの選手が使っているハイエンドモデルが1万円前半で購入できるなんて普通は考えられません。超お買い得です。
一般サイクリストが一流選手と同じ製品を使うには、意外とお金がかかるものです。コンポで言えば20万のDura-Ace、ブランドで言えば100万超えのDOGMAやS-WORKSを購入したようなものと言えるかもしれません。
1万円ちょっと(定価は3万円超えですが)でプロの気分を味わうことができるというのは、他のスポーツ競技と比較しても、またロードバイク内の他の要素と比べても安上がりに済む部分と言えそうです。
サイズ感を掴み損ねたのは・・・。単純な私のリサーチ力不足なのでどうもこうも無いです。通販あるあるではありますが、ヘルメットに至ってはそんなに甘くは無いといったところでしょうか。勉強になります。
別にMサイズをこのまま使い続けてもよかったのですが、勢いに任せてLサイズを買い直してしまったので、この手元に残ったMサイズをどうしようか・・・。メルカリに売りに出すか、このブログのTwitterでプレゼント企画でもやろうか・・・。なんて色々考えています。
もしかしたら希望する誰かに安くお譲りすることになるかもしれません。もし何かあればコメント欄にてお願いいたします。
それでは当ブログに興味をもち、記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます!またお会いしましょう!
(追記:2019/11/19)
後日、新たにbikecomponentsに注文したLサイズが届きました。サイズもフィット感も完璧でした。
数名の友人に協力してもらい、MサイズとLサイズのフィッティング比較を行いましたが、大体の友人はLサイズが最適でした。
アジアン、主に日本人のかたでしたら頭部の形状がよほどスリムでない限り、Lサイズを購入するのが無難な選択だと思います。