グラベルキングというグラベルタイヤに交換し、チューブレス化・シーラント交換を行いました。
また、ヒルクライムや200kmロングライドを通してグラベル向けスリックタイヤの乗り心地や転がりについてのインプレもまとめています。
- はじめに
- タイヤを交換するタイミング
- チューブレスタイヤは、ハズレ個体を引くと空気漏れとの勝負に・・・
- 完全なスリックタイヤだと、ウェット時のグリップ力に不安
- グラベルキング32c(チューブレスコンパチブル)という選択肢
- 半年経ったシーラントはどうなっているのか?交換すべき?
- インフレーターでだれでも簡単ビード上げ
- グラベルキングでヒルクライム & 220kmライドしてみたインプレ
- まとめ|グラベルキングは「買い」か? どんな人向け?
はじめに
皆さまおはようございます。
つい先日、Everesting.ccから承認を受けまして、無事に日本で54番目の殿堂入りを果たすことができました。
ホールオブフェイムの証であるグレーストライプジャージの購入権も同時に手にしたわけですが、購入するかどうかは迷い中です。
今年はすでに100万円近く自転車用品にお金をつぎ込んでいることが発覚し、そろそろ自制すべきだと焦り始めました。
結果、いまは「やっぱり上下で3万円は高いなぁ・・・」となってしまっているのですが、おそらくそのうち、気が付いた時にはもう注文していることでしょう・・・。
さて、今回は前々から「エベレスティングが終わったらやろう」と計画していたタイヤ交換を行います。
チューブレス化からヒルクライム、200kmのロングライドを通したニュータイヤのインプレッションも、さっそく行なっていきましょう!
タイヤを交換するタイミング
CANYON GRAILにこれまで履かせていたタイヤはWTBのグラベルタイヤ(スリック)のExposure 30でした。もちろんチューブレスレディです。
使用歴は7ヶ月、走行距離は3000km足らずでした。
Exposure30は柔らかく、摩耗が比較的早めのタイヤではありましたが、トレッド面は未だ円形を保っています。倍の6000kmは問題なく走れそうです。
それではなぜこのタイミングで交換するのかと言いますと、それは「フロントタイヤの(サイドからの)エア漏れに、もういい加減我慢できなくなってきた」ためです。
チューブレスタイヤは、ハズレ個体を引くと空気漏れとの勝負に・・・
以前から当ブログの読者の方には伝わるかと思いますが、私はこのチューブレスタイヤを装着してから今に至るまで、ずっと空気漏れに悩まされ続けていました。
シーラントの塗布方法を色々試したり、タンク付き空気入れ(インフレーター)を購入してビード上げしてみたりと、タイヤとリムがぴっちりと隙間無く噛み合うように様々な工夫してきたつもりでしたが、「結局どうやっても次の日には2barも抜けてる!」そして「これは明らかにタイヤのビードの初期不良(歪み)だ!」と結論づけるほかありませんでした。
タイヤを前後入れ替えてもやはり当該のタイヤだけにエア漏れが起こるため、ホイールのリム精度ではなく、やはりタイヤそのものに不備があることがわかりました。
空気漏れが治らないなら、もういっそ新しいタイヤに交換してしまえ!
完全なスリックタイヤだと、ウェット時のグリップ力に不安
エベレスティングのコース選びで斜度11%ほどの山道を試走したことがあったのですが、その時にスリックタイヤのグリップの限界に恐怖を覚える体験をしました。
この道路は表面にうっすらと苔が生えているような古いコンクリートで、当日の天気は霧でした。
登りは問題なくグイグイ漕いで進めたのですが、肝心の下りのコーナーでブレーキをポンピングして軽く減速をかけただけでなんと後輪がスリップ。
35km/h以上出ていたので、放り出されそのままカーブに突っ込まないよう慌ててハンドルを抑え、なんとかドリフトさせて停止。
反応が一瞬遅れていたら大事故の可能性もあったと思います。これ以上乗ってはいられないと判断し、そこからはGRAILを押して下りました。
雨・ダウンヒル・急カーブでも安心できるスリックタイヤに替えたい!
グラベルキング32c(チューブレスコンパチブル)という選択肢
そうしてGRAILのNEWタイヤに選んだのはコチラ。Panaracerの
GRAVELKING 32c (Tubeless Compatible)のブラウンサイドです。
私がGRAILを購入した時点では「チューブレス・ブラックサイド」か「クリンチャー・ブラウンサイド」しかラインナップにありませんでした。
しかし今シーズンから待望の「チューブレス かつ ブラウンサイド」が登場し、わざわざ海外通販でExposure30を調達する必要がなくなりました。
タイヤサイドには"MADE IN JAPAN"の刻印も。
グラベルキング32cの重量は276 g。exposure30cが304gだったので、前後で56gの軽量化です。
なお、グラベルキングを装着した私のCANYON GRAILの重量(ペダル抜き)を計測したところ、8.33 kgでした。ホイールをHUNTの軽量グラベルホイールに変えれば 7 kg代が見えてきますね・・・グラベルロードとは一体・・・。
もちろん転がり抵抗は上がってしまいますが、セミスリックやブロックタイヤに比べれば実質ロードタイヤみたいなものです。
GRAILの初期タイヤ|シュワルベ G-One Bite
半年経ったシーラントはどうなっているのか?交換すべき?
シーラントは再利用。リムの腐食もなし
さて、グラベルキングをチューブレス化していきましょう。まずは旧タイヤの空気を抜き、ホイールから外します。
気になるタイヤ内の様子ですが、前回同様にシーラントの硬化は見られません。タイヤ内部にこびり付いたゴム塊もわずかでした。
シーラントの色は白→黄色がかったクリーム色に変化しており、経年劣化の兆候こそありますが、まだまだ綺麗な液体です。よってこのまま再利用することにいたします。
再利用はもちろんメーカー非推奨です。
色の変化的に、あと半年は保つでしょうか。来シーズンの始まり(つまりちょうど1年)にシーラントの全交換をすればちょうど良いかな、と思っています。
回収したシーラント量は27g。もともと注入していた量は40gほどだったはずなので、タイヤ内部にゴムのエアーシール層を張ったり、空気を入れるごとにリムの隙間で固まったりして、ちょっとずつ液体量が減ってきてはいるようです。
次はホイール側、2ヶ月前に貼り替えたチューブレス用リムテープを確認してみます。
テープの剥がれや、リムの腐食等はなさそうです。そもそもリムはカーボン製なので、ニップルさえ気をつけていれば腐食する可能性はありませんね。
インフレーターでだれでも簡単ビード上げ
グラベルキングをホイールに装着し、シーラントも40mlになるよう補充しました。
あとはチューブレス化の鬼門:ビード上げですが、インフレーターポンプを手に入れた私にとってもはやビード上げは朝飯前です。
まずフロアポンプで、タンクの気圧が6.5barほどになるように空気を溜めていきます。
あとは貯めた空気を放出するだけですが、もしタイヤとリムの組み付けが悪かったり、バルブと金具にわずかな隙間でもあればそこから空気が逃げていってしまうだけなので、せっかくのポンピングの苦労が水の泡です。ここはじっくりと確認しましょう。
タイヤをよくほぐして、極力リムからビードが浮かないようになっていることを確認し、インフレーターとホイールをつなぎ直して一気にエアを解放。緊張の一瞬です。
するとバコン!と小気味よくビードの上がる音が。
あとはリムサイドからシーラントが染み出してくるので、ホイールを色々な角度に傾けたり、上下にシェイクしてリムとの隙間を埋め、内部にシール層を張ります。
これでチューブレス化のすべてが完了です。超簡単。
グラベルキングでヒルクライム & 220kmライドしてみたインプレ
3日経っても空気漏れナシ。やはり以前の原因はタイヤの個体差か
グラベルキングに変えてから空気圧をこまめに計測するようにしていましたが、結果として3日経過でも4.5bar→4.5barと変化なし、一回のライドを挟んで1週間経過で4.5bar→4.0barでした。
今度はしっかりタイヤとリムが密着し、シーラントで細かな隙間を完全にブロックできているようです。
こんなにあっさりと空気漏れが解決したあたり、やはりexposureの一件はタイヤの個体差(ほぼ初期不良)だったのでしょう。
32Cのグラベルタイヤでヒルクライムすると
Exposure30が限りなく28cのロードタイヤ (比較対象:Specialized Turbo28c) に近いフィーリングをしていたので、トレッドパターンも増え、タイヤが太くなったグラベルキング32cだと、”登り”にはやはり違いを感じました。
悪く言えば「キレが悪くなった」と感じます。パワーを上げてからの反応が若干遅くなり、加速にもたつくような感覚はやはりあります。
加速は苦手な印象ですが、一方でタイヤの重量自体は軽くなっているので、峠を登り続ける上で最終的なパワー効率はグラベルキングの方が良いのかな?と思います。(正直パワーメーター でも判別不能な誤差レベル)
レース機材と思わなければ、間違いなく「走れる」タイヤではあると思います。
コーナーリングのグリップ力ですが、これは顕著に向上していたのでその点は満足です。
ただしまだ濡れた道は走っていないため、ウェットコンディションの検証はこれからやっていくことになります。
総評として、アンダー15万円ロードバイク完成車付属のコンフォートタイヤと比べれば、間違いなくグラベルキングの方が楽にヒルクライムできる、というイメージなタイヤです。(比較対象:specialized Espoir)
グラベルキング(チューブレス)で215kmロングライド
距離215km、峠を3つほど越えて獲得標高3,400mほどのロングライドをしてみました。
もがいて平地を高速巡航したり、ダウンヒルで攻めてみたりとガチガチのロードバイクのような走り方もときどき試してみましたが、その上で転がりは申し分ないという感想に落ち着きました。
Exposureのロードノイズはコォー・・・とかゴォー・・・というロードタイヤ特有の重低音でしたが、GravelKingはミックスパターンのトレッドが作用してか、サー・・・という軽いロードノイズに変わりました。
音の感触的にはやはり転がり抵抗が増えているのは確かなのでしょう。ただ、パワーメーターの値で顕著にわかるような違いは特に現れませんでした。
結局ヒルクライム以外ではっきりと違いを感じることがなく、exposure同様にやはり「よく走る」グラベルタイヤであるのは間違いなさそうです。
タイヤ幅が2mm増えていても、球の膨らみの関係上、設置面積がそこまで増えた訳ではないのでしょう。
一方で、同じ空気圧でもエアボリュームが増えたことにより、走りの快適性や、突き上げの気持ち良さは微量ですが向上したことを感じ取れました。
悪路でも振動をバッチリと吸収してくれ、また路面追従性によってインピーダンスロスを軽減してくれるので、デコボコ道では特に走りやすくなったことを感じました。
特に150kmを超えて身体が疲れてくると、振動が少なく体にダメージの少ないタイヤの方がパワーを継続してかけやすいと実感しました。
ただ、流石にこれ(32c)以上太いタイヤだと、スピードを上げて走るのには向かないかも?というような予感はあります。
今度試しに38Cのグラベルキング(チューブレス)を買ってみて、同じく200kmほど走ってみても面白いかもしれません。
まとめ|グラベルキングは「買い」か? どんな人向け?
結論を言えば、私の中でExposure 30c と GRAVELKING(TLC) 32c のお気に入り度合いはほぼ同程度といったところです。
どちらもよく走るグラベルタイヤですし、チューブレスによる快適性は申し分ありません。そして反応性やグリップ性では一長一短な関係にあります。どちらが優れているとかではなく、人によって好みが分かれるようなタイヤ関係にあるように思います。
ただしかし、私の入手したExposureに限ってはエア漏れという大減点ポイントがあるので、少なくとも私は元のExposureに履き替えることはないですね。次の買い替え時にどちらにするかは再度考える必要があるでしょう。
まとめとして、こんな人にグラベルキングの購入をオススメします。
・初めてのチューブレスに挑戦したい (安く国内に流通している。質も確か。)
・グラベルロードを買ったはいいが、舗装路も快適に走りたい (グラベルも、浅い砂利道程度ならガシガシ漕げます)
・クラシカルスキン・ブラウンサイド・アメ/タンサイドカラー、いわゆる茶色のタイヤが好き (チューブレスだと他にほぼ選択肢ナシ)
私は・・・正直言って見た目を一番重視した結果、グラベルキング(と Exposure)になりました。
舗装路での性能を本当に求めるなら、スペシャの新型チューブレスあたりになるのではないでしょうか?
というわけで、今回はタイヤ交換とそのレビューを行いました。
コメント欄やTwitterなど、よろしければぜひ皆さまのベストチョイスなタイヤもお教えください。
当ブログ、更新頻度は相変わらず低いですが、実は記事のネタは大量にストックしてあり、10個以上の下書きがあとにつっかえている状態です。
もっと早く書き上げられるようにしたいものです。
それでは記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます。またお会いしましょう!