今回は、1ヶ月前にチューブレス化したWTB exposure 30を外し、エア抜けの原因やシーラントの硬化、リムやリムテープの腐食についてまとめています。
インフレーターを用いたビード上げは次回の記事にまとめる予定です。
- はじめに
- タイヤの空気漏れ → シーラント硬化
- 予想: チューブレスタイヤがエア抜けした理由
- 1ヶ月経過したチューブレスタイヤを外す
- エア抜けから2週間、空気に触れた状態で放置したシーラントの様子は?
- 1ヶ月シーラントに触れていたリムテープは劣化した!?
- タイヤを戻す:リム内部は掃除必須
- 再びチューブレス化:シーラント再利用
- おわりに
はじめに
皆さまおはようございます。
今回はシーラント交換の作業をまとめています。果たしてチューブレス化から1ヶ月経ったシーラントは一体どのようになっているのでしょうか?
なお、チューブレス化のやり方はこちらの記事をご覧ください。
では、さっそく詳しくみていきましょう。
タイヤの空気漏れ → シーラント硬化
まずは、なぜ今回こんなにも早くシーラント交換をすることになったのか、についてお話いたします。
それはチューブレスタイヤが空気漏れをしていることに気づかず、そのまま2週間放置してしまっていたからです。
シーラントは空気に触れると硬化する性質を持ったラテックス繊維(天然ゴム)です。この性質のおかげで、パンクした穴を自動的に塞いでくれたり、ビード上げのときにリムとタイヤの隙間から空気が漏れないようにしてくれます。
逆に考えると、タイヤが空気漏れを起こしていると、シーラントは勝手にどんどん硬くなっていってしまうということです。
ここしばらく天候も優れずなかなかGRAILで走り出す機会がなかったため、空気漏れに気付くのが遅れてしまいました。
チューブレス化したWTB exposure 30 ですが、気がつけばひどいエア抜けをしていました。
以前のこの↓の記事で、「TLRタイヤのエア抜け問題は解決した!」と自信満々に書いてしまいましたが、
長期間放置すると結局全然ダメだったことがわかりました。
予想: チューブレスタイヤがエア抜けした理由
今回エア抜けを起こしたのは後輪のみで、前輪は空気がしっかりと入ったままでした。
両輪とも同量のシーラントを入れていますし、塗布の仕方も同様です。
ではなぜ後輪だけ空気が抜けたのか?という疑問が残りますが、これに対する私なりの考えはビード上げが完璧にできておらず、ビードとリムに微妙な隙間ができてしまっていたから だと予想しました。
というのも、前回のビード上げで私はフロアポンプを使っていました。
人力のフロアポンプでゆっくりと空気圧を上げていくこの方法では、一気にインフレーターで全体のビードをドカンと上げてしまう方法と比べて、どうしてもビード全体にムラが生じてしまいます。
そもそもタイヤは販売されている段階で個体差が大きく、ビードのたわみ方が結構異なります。これが前後同じタイヤ・同じビード上げ方法でもエア抜けの差が出た要因でしょう。
前輪のビードは精度がよかったので、たまたまフロアポンプでもきっちりビード上げができましたが、後輪のビードは太さの差や歪みが大きかったのでフロアポンプでは上がりきらなかったのかもしれません。
1ヶ月経過したチューブレスタイヤを外す
ともかく、エア抜けしていたリアタイヤを外していきましょう。
まずはチューブレスバルブ用のリムナットを外します。
簡単に外れました。
通常のクリンチャーと異なりタイヤ内にチューブが入っていないので、この状態で空気を抜けばただタイヤがリムに乗っているだけになります。
もはやタイヤレバーもいらないほどユルユルですが、いつも通りにタイヤを外していきます。
力を入れることなく一瞬でタイヤがリムから外れました。チューブレスレディはこのユルさが非常に気に入っています。
ただのチューブレスだと逆にカチカチすぎて力自慢の男でもなかなかタイヤを外せないという話をよく聞きます。
エア抜けから2週間、空気に触れた状態で放置したシーラントの様子は?
さて、気になるのはシーラントの様子です。
エア抜けしたまま放置していたということは、1気圧の大気とタイヤ内の空気が自然循環していたとしてもおかしくなく、その場合シーラントは全てカッチコチに固まったゴム塊となっているはずです。
1ヶ月前に注入したシーラント、いざ確認です。
どんなゴム地獄が待っているのかと不安な気持ちで開封しましたが、なんと意外にも、液体のまま溜まっているように見えます。
なんと完全に液体でした。それに結構な量が残っているように思えます。
タイヤ内部も確認してみます。
ゴムの塊でネバネバしている・・・といったことは全くありませんでした。
結論から言って、エア抜けを放置しても大気との空気循環はほぼなかったと言えるでしょう。
このシーラントはそのまま再利用ができそうなので、いったん空のボトルに移し変えておきます。
もちろんシーラントの再利用はメーカー非推奨ですが、硬化していない限り再利用できないはずはありません。(自己責任でお願いします。)
(シュワルベのシーラントも同タイプのボトルが付属するようです。)
ついでに、1ヶ月前と比べてタイヤ内のシーラントがどれだけ減ったのかを重量から擬似的に算出してみます。
こちらが空のボトルの重量。 12 gでした。
そしてこれが未開封のシーラントの重量です。73 g。
つまり、1ボトルあたりのシーラントの重量は 73 -12 = 61 gです。
このSTAN'sのボトルの体積は 59 mlなので、このシーラントの密度はほぼ1g/mlと考えて計算には差し支えないでしょう。
それでは、先ほど回収したタイヤ内のシーラントの重量を測定してみましょう。
とりあえず限界まで吸ってみます。内部表面全体に付いているシーラントは回収できなかったので、回収率は8割くらいでした。
気になる重量です。 46 gでした。
つまり、46 - 12 = 34 gのシーラントをそのまま回収できました。回収できなかったシーラント量を考えると、空気漏れから2週間経過したタイヤ内の液状シーラントの全量は45 mlほどだと考えられます。
1ヶ月前のチューブレス化の時に使ったシーラントはタイヤ一本あたり50 mlなので、結論から言って1ヶ月経ってもほぼ硬化していなかったことになります。
エア抜けすら放置していたのにも関わらず、この結果は意外でした。
1ヶ月シーラントに触れていたリムテープは劣化した!?
最後にリムテープを確認してみます。
シーラントはリムを腐食するという話も聞きますが、果たしてどうなっているのでしょうか?
こちらがリム内部の様子です。こちらもタイヤ内部同様、ゴム塊などは見当たりません。
ニップル穴の色が以前と変化したような気がします。これはリムテープが伸びてしまったからなのでしょうか?
比較として、1ヶ月前のリムテープはこのようになっていました。
やはりニップルホール周りのリムテープは変色していることがわかります。どうやら表面の黒い塗装がハゲて、透明な茶色い層が残っているようです。
リムテープの剥がれ:エア抜けの本当の原因はコレ !?
リムテープを観察していると、気になるリムテープの剥がれを発見しました。
この箇所はちょうどリムテープの巻き終わりなのですが、微妙にテープが浮いてしまっていることがわかります。
チューブドのタイヤとは異なり、チューブレスレディタイヤにおけるリムテープの意義は「気密性確保」にあります。
つまりニップルホールから空気が漏れ出ていくことを、リムテープで抑えることで防いでいます。
そのためチューブレスレディには専用の気密対応リムテープが使われています。
前章でエア抜けの原因はビード上げの不均一さ!と予想していましたが、もしかするとこちらのリムテープ側の問題だったのかもしれません。
あいにくチューブレスレディ用リムテープは家にストックしていないので、次回購入するまでとりあえずガムテープで応急処置をしておきます。
浮いてきている箇所をこれ以上剥がれないよう上から抑えただけです。
正直効果はほとんど無いように思うので、これは気持ちの問題ですね。
タイヤを戻す:リム内部は掃除必須
さて、シーラントの調査もリムテープの観察も終わったので再びチューブレス化を行なっていきます。
その前に、リム内壁の掃除をする必要があります。
リムのビードが引っかかる場所には、極小のシーラントの塊が付着しています。触れるとコロコロとした砂のようです。
このままタイヤを戻してしまうと、ビードの隙間にこの塊が入ってしまい新たなエア抜けの原因になります。
もちろん、その隙間は液体のシーラントが新たに補修してくれることによって埋まるはずなのですが、できることなら元から隙間は最小限にしておいた方が良いでしょう。
雑巾でリム内部を拭き取ります。特にビード掛けの部分は重点的によく綺麗にします。
再びチューブレス化:シーラント再利用
掃除が終わったので、タイヤを戻してチューブレス化します。
前回同様にバルブコアを外して、バルブを解放します。
バルブコアを外しました。バルブコア外しのこの工具は小さく、よく紛失してしまうのでツールボックスの中に入れて常に常備しておくことにします。
続いて、先ほど回収したシーラントを再充填します。
先ほどの重量測定で34 gだとわかっているので、新しいボトルから15 g程度補充しました。
いよいよビード上げ・・・ですが、前回のようにフロアポンプで頑張ったところで結局エア抜けのビードの均一問題は解決しません。
しかも、またあの石鹸水と格闘するのは勘弁して欲しいところです。手も床もベトベトになってしまいます。
(↓前回の様子)
石鹸水と格闘した様子は以下の記事からどうぞ。
どうしたものでしょうか・・・。と脱力感に見舞われますが、
この奥にあるポンプは一体・・・?
これは・・・!?
というわけで、今回私はチューブレス用のインフレーターを新たに購入いたしました!
これで超簡単に、一瞬でビード上げができる!・・・はず!
これ以上は記事が長くなってしまうので、インフレーターでのビード上げは次回の記事にいたします。
実はこの記事、このインフレーターのチラ見せの為の長い前置きだったというわけです。冗長ですみません。
もう記事はだいたい書き終わっているので、すぐに続きを投稿できると思います。お待たせして申し訳ありませんが、もうしばらくお待ちください。
おわりに
今回はチューブレスレディタイヤを取り付けてから1ヶ月、シーラントやリムがどうなったかについてまとめました。
シーラントは硬化していませんでしたし、リムもそこまで腐食や劣化が進んだようには見えませんでした。思ったよりもチューブレス化のデメリットは小さそうだと安心したところです。
残る懸念材料はビード上げとエア抜けだけです。これが解決したのか、解決しなかったのかはまた次回お伝えすることにいたします。
それでは当ブログに興味をもち、記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます。またお会いしましょう。
この記事の続きです。合わせてお読みください。
また、こちらの記事でもチューブレス化に挑戦しています。チューブレス用のリムテープを巻くところから挑戦した結果、すんなりとビードをあげることができています。
60mmハイトの中華カーボンホイールです。
(追記: 2019/12/23)
どうやら2020年モデルから、このWTB exposureというタイヤは廃盤になるようです。
そして34cモデルのみ"Expanse"(エクスパンス)と名前を変えて販売継続します。
当ブログでも触れた「サイドの薄さ」のせいかチューブレス時の機密力が弱く、評判もよくなかったのかなと思っています。