バイクパッキングに用いる大型サドルバッグは積載力に比例して横揺れが酷くなってしまいますが、その問題点を解決するスタビライザーのレビューを行います。
- はじめに
- 大型サドルバッグの問題点
- スタビライザー搭載型の大型サドルバッグ
- どんなサドルバッグにも対応できる後付けスタビライザー
- MINOURA SBS-250 シートバッグスタビライザー レビュー
- ボトルケージ増設アイテムにもなる!
- シートバッグスタビライザーの弱点
- おわりに
はじめに
みなさんおはようございます。
今回は MINOURAのシートバッグスタビライザーという製品のレビューを行います。
バイクパッキング特有の悩みを解決してくれる、素敵なアイディア商品です!
大型サドルバッグの問題点
皆さまもご存知だと思いますが、2016年ごろから絶賛大ブレイク中のバイクパッキングという新しい荷物の積載スタイルがあります。
(↑DIVERGEのバイクパッキングスタイル。太陽光パネル装着で1週間程度のキャンプツーリングが可能です。)
フレームバッグ、フロントバッグ、トップチューブバッグなど、自転車の車体に直接バッグを取り付けることで、従来のキャリアスタイルよりもスリムに、かつ安定したパッキングができる画期的なスタイルです。
このバイクパッキングでもっとも大きな積載量を誇るのは大型サドルバッグであり、一番不安定な部分でもあります。
これは当ブログでも何度か登場した、私の使っているTOPEAKのバックローダー(10L) です。
大型サドルバッグに関していえば、キャンプツーリングだけでなく普段使いのポタリングでも装着している人が多い印象があります。
やはりそれだけ便利な代物です。ウェアやアウター、補給食や飲料、バッテリーなど、どんなに荷物が増えてきてもずとりあえず突っ込めるという圧倒的な安心感があります。
しかし、この大型サドルバッグを使っている人が必ず直面する問題があります。
それは、サドルバッグの横揺れ問題です。
大型サドルバッグは基本的に、
・左右のシートレール
・シートポスト
の3点留めであるため、ダンシングをすると
このように必ず左右の横揺れが発生します。
これは荷物の積載量を増やせば増やすほどに大きくなっていき、酷くなってくるとダンシングをせずとも普通のペダリングだけでも大きな横揺れとなってしまうときもあります。
サドルバッグの長さが長いほど時間差で横揺れが発生するため、自転車を持っていかれるような感覚が強くなり、走行時の気持ち悪さが増えてしまいます。
また、単純にエネルギーロスにも繋がるため、可能な限りこの横揺れを起こさないよう自転車を左右に振らないような走り方をせざるを得なくなります。
スタビライザー搭載型の大型サドルバッグ
この横揺れ問題を解決した大型サドルバッグがSPECIALIZEDから販売されています。
その名も BURRA BURRA STABILIZER SEATPACK
(出典: BURRA BURRA STABILIZER SEATPACK 10 BLK(10 ブラック): キット&バッグ|スポーツバイク用品の通販サイト|スペシャライズド・ジャパン)
です。
ブラブラというのはスペシャのバイクパッキングシリーズの名前です。
名前にある通り、この大萱サドルバッグにはシートポストに固定するスタビライザーが標準装備されています。
この金属製のスタビライザーにより、サドルバッグが中央に固定されるため横揺れを軽減できるという仕組みです。
ちなみにお値段は15,000円から。大型サドルバッグとしては普通〜ちょい高めの価格帯です。
どんなサドルバッグにも対応できる後付けスタビライザー
しかし、できればすでに買ってしまったTOPEAKのバックローダーにも取り付けられるスタビライザーが欲しいところです。
色々調べたところ、以下のような商品がヒットしました。
WOHO The X-Touring アンチスウェイ サドルバッグ スタビライザー
(出典: http://blog.worldcycle.co.jp/20180326/29264/)
です。
これはBURRA BURRAのサドルバッグ中央に差し込むスタビライザーとは異なり、サドルバッグの左右から挟み込むことで、横揺れを軽減するというスタビライザーです。
お値段は 3,500円ほど。結構お手頃です。
この製品を購入しようと思ったのですが、レビューを色々と読んだところ、
「思ったより横幅が狭いので、幅広なサドルバッグだと潰れてしまう。」という評価が結構多いことに気がつきました。
上記の写真の通り、このWOHOのスタビライザーの横幅は120 mmです。
一般的な大型サドルバッグの横幅は150 mm前後なので、確かにこのスタビライザーではサドルバッグの横を潰さないと収まらなさそうです。
そしてさらに調べると、この問題を解決した製品が2018年にMINOURA ミノウラ から発売していることを知りました。
SBS-250 シートバッグスタビライザー
です。
こちらの商品の横幅は145 mmと、WOHOより25mmも幅広に作られているようです。
この横幅なら大体の大型サドルバッグに対応しており、しかもお値段も2.500 円程度とお安くなっております。
これなら私のバックローダーにも使用できると考え、今回はこのMINOURAのシートバックスタビライザーを購入することにいたしました。
MINOURA SBS-250 シートバッグスタビライザー レビュー
というわけで、Amazonで購入して早速レビュー開始です。
重量は173 gです。
サドルのように重心が高い場所の重量が増える場合は、走行の安定感が低くなってしまいます。
この173 gという数字は少々無視できない重量です。サドルが1個さらに増えたようなものですね。
しかし加えて大型サドルバッグを取り付けている以上、もはや高重心の重量増は避けられないので、多少の安定感減少は仕方のないことなのかもしれません。
これがシートレール側の土台。かなりシンプルな板状の金属パーツです。
単体で取り付けると、サドルに尻尾が生えたかのような見た目をしています。
早速バックローダーをパッキングしてみました。
目論見通り、横幅はちょうどぴったりでした。
サドルを左右に振ってみます。
ほとんど揺れがなくなりました。これは凄いです。
そもそも左右から挟み込まれて完全に身動きが取れなくなっているので、
横から手で引っ張っても、動かすことができないほどです。
ボトルケージ増設アイテムにもなる!
なんとこのスタビライザーには、かなり大きなオマケ機能が付いてくるのです!
このスタビライザーには左右に2つずつの穴が開いており、左右1本ずつのボトルケージを取り付けることができます。
こちらがボトルケージを装着した様子。積載量が大幅アップです!
(ちなみにこのスタビライザーのためにSUPACAZのTRONというボトルケージを購入いたしました。)
ワンポイントのロゴマークが素敵です。
前から見た図。
空力的にマイナスなのは避けられませんが、一応この位置ならライダーの太ももに半分隠れているので空気抵抗の増加はそこまで深刻ではないと思います。
550 mlのボトルを2本挿してみました。
トライアスロンみたいになってきました。
前から見てみます。
横に飛び出してかなり奇抜な格好に見えるかと思いましたが、せり出し幅もそこまで大きくなく、極端にダサいというわけではないですね。
結構ゴテゴテしていてむしろ好きな人は好きかもしれません。
しかしこの状態での運用には少々問題があることを付け加えておきます。
この状態ではサドルの後ろから脚を振り上げてサドルにまたがることができません。ボトルに足が引っかかってしまいます。
ですのでトップチューブ上から脚を通すことでサドルにまたがることになります。
ですがもし、自転車から降車時に頭からこのスタビライザーのボトルの存在が抜け落ちていた場合、いつも通りに脚をサドル後ろへ振り上げてしまい、ボトルに回し蹴りをブチ当ててしまう可能性があります。
というより、私ならやりかねないのでドリンクボトルを挿すのは控えたいところです。
そもそもこの位置に550g x2の重量が増えると重心バランスはもうめちゃくちゃです。豪快なダンシングは恐ろしくてできないでしょう。
そこで発想を転換して、500 mlサイズの小ツールボトルの運用を考えてみます。
ボトルの頭がサドルバッグの高さとほぼ同じ位置まで下がったので、ボトルの回し蹴りをあってしまう可能性はかなり低くなりました。
前からも見てみます。
カラーも相まって纏まった印象を受けます。
今まで私は、ドリンクボトル1本 + ツールボトル1本 で運用していましたが、
ツールボトルをサドル後ろに収納できるようになったことで、
ドリンクボトル 2本 + (スタビライザーにツールボトル2本) という運用ができるようになりました。
水分補給の頻度が上がる夏場のサイクリングでは、一度に積載できる水の量が2倍になったことで、コンビニや自販機に寄って水分補給をする時間を半分カットすることができます。 これは結果的に結構な時間の効率化ですね、
シートバッグスタビライザーの弱点
この製品の大抵には満足しましたが、いくつか問題点があるのでそれについてもお話いたします。
①重心がさらに上に偏る
→走行の不安定化
ボトルケージに加えてツールボトルを追加するとそれだけで結構な重量増になります。
こちらがボトルケージ x2の重量。89 g増。
加えてツールボトル、その中身の重量まで増えるので、ダンシングは相当厳しくなりそうです。
②サドルバッグ側面と擦れる
→サドルバッグの傷、破れ
スタビライザーの内側を確認してみると、
このように微妙な金属突起がせり出ています。
この突起がサドルバッグの側面に当たり続けることになるので、布地を痛める原因になります。
横揺れが軽減されていると言ってもサドルバッグは多少なりとも揺れてしまうので、そのたびにスタビライザーの突起を擦れ合ってしまうことになります。
サドルバッグが破れてしまうことを防ぐために、突起の部分にクッションシートなどを貼ると良いかもしれません。
③シートレールが傷つく
このスタビライザーのシートレール固定方式は少々原始的です。
2枚の金属板の平たい部分で挟むだけなので、円断面のシートレールは潰れて塗装剥げなどのダメージを受ける可能性があります。
ここにもクッションシートを挟むなどして金属同士が擦れ合わないようにした方がよろしいと思います。
なお、カーボン製のシートレールなら破損の恐れがあるのでそもそもこのスタビライザーを使うのはやめておいた方が良いでしょう。
④サドルバッグのベルトをシートレールに通しにくくなる
これは、シートレールにスタビライザーの固定具を取り付けることによって、シートレールの残りスペースが少なくなり、サドルバッグのベルトを通しにくくなってしまいます。
この状態でギリギリベルトが通るスペースが残っており、、サドルバッグを固定することができました。
しかしサドルを前乗りにしている人だとサドル位置がさらに前になり、余りのシートレール長がさらに短くなってしまうので、スタビライザーと大型サドルバッグの両方を同時に装着できなくなってしまう恐れがありあます。
このスタビライザーを購入する場合は、事前に自分の自転車のシートレールの長さが十分残っているかどうかだけは確認しておく必要がありそうです。
おわりに
今回はMINOURAのシートバッグスタビライザーのレビューを行いました。
サドルバッグの横揺れを軽減できるだけでなく、ボトルケージを2本拡張できるというコスパのよさが大変気に入りました。
バイクパッキングをご利用中の皆さまもおひとついかがでしょうか?
今後実際にバイクパッキングをして実走してみての使用感についても追記しようと思います。
それでは記事をここまで読んでくださった全ての皆さんに、
ありがとうございます。またお会いしましょう!